アプリでチラシ比較 探せ!最安品
検索で一目瞭然、店舗登録で特売品情報も
買い物前に下調べ
「買い物に出かける前にどこで何を買い、どういう献立にするかを考えられるので、とても助かる」。こう話すのは東京都江戸川区に住む横尾友絵さん(28)。10カ月の娘、芹ちゃんの子育てで忙しい中、買い物に利用しているのがスマホアプリ「チラシル」だ。
スタッフが関東圏の1万余りの店舗のチラシを見て、手作業による入力でデータ化した上で、商品のジャンルや店舗ごとにわかりやすく表示する。あらかじめよく行く店を登録しておけば、チラシが配布されるたびに特売品の価格などの情報が配信される仕組みだ。
アプリを使えば、複数の店舗の価格の比較が簡単にできる。ある店で特売品があるとき、その画像や値段をタップすると、他の店舗ではいくらで売られているかを一覧で表示。ほしいものがどこで一番安く売られているかが一目瞭然だ。
買いたい商品を見つけたらアプリ内に記録できるメモ機能もある。メモは商品が特売価格で売られている日ごとに並べかえて表示されるため、いつ、どの店で何を買えばいいのかがわかりやすい。メールやSNS(交流サイト)で商品の情報を家族らに送り、「おつかい」を頼める機能もある。
7月27日には「おこづかい機能」が追加。指定された商品を買ったレシートを撮影し送信すると「アマゾンギフト券」がもらえる。チラシルを使い始めて半年の横尾さんは「アプリを使って浮いたお金を、娘の成長で増える食費に回せるから便利」と話す。
運営しているのはディー・エヌ・エー。プロデューサーの北村淳さん(30)は「買い物の前にはチラシルを見ればいいと思ってもらえれば」と意気込む。関東以外でも大都市を中心に対象店舗を徐々に拡大させていく方針だ。
見るだけでポイント
電子チラシ界の元祖といえるのが2001年にサービスを開始した「Shufoo!(シュフー)」。登録店舗は全国で約10万店、月間の利用者数は690万となっている。
チラシはそのまま画像データとして配信している。文字が見にくいときは簡単に拡大できる機能がある。運営するのは紙のチラシを印刷する凸版印刷。チラシのデータを企業から直接受け取るので、多くのチラシは新聞に折り込まれる前夜のうちに配信される。利用者はその分、じっくり買い物の予定が立てられる。
会員登録後、チラシを見るだけで独自のポイントがたまるのも魅力だ。QUOカードなどに交換できるほか、現金をはじめとしたプレゼントが当たる抽選に応募できる。
せっかくチラシを活用して食料品をお得に手に入れても、買いすぎてどう使ったらいいのか悩むこともある。そんなときはナビットが運営するウェブサイト「毎日特売」が役立つ。
食材の特売情報と一緒にそれを使う料理レシピを掲載。オーソドックスで簡単に作れるレシピを中心に紹介しているため、忙しいビジネスマンや子育て中の主婦でも活用しやすい。
掲載する特売情報は各地の主婦スタッフが「地域特派員」となり、チラシを見てお得と感じた商品に絞って掲載。レシピも考えている。それだけに"買い物名人"の主婦による「チラシのキュレーションサイト」ともいえる。
様々な機能を備える電子チラシサービス。紙のチラシと組み合わせながら、日々の買い物をさらに便利で楽しいものにしたい。
(電子編集部 高尾泰朗)
[日本経済新聞夕刊2015年8月6日付]
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