自由研究、アプリがお助け 観察日記など計画的に
「写真を撮って文字を書くだけだから簡単。カレンダーに毎日写真がたまっていくのをみると面白い」。千葉県に住む小学4年生の野口洸生くんはスマホを使って自宅で飼い始めた子猫の観察日記をつけている。かものはし工房(千葉県市川市)の「かんさつにっき」は、動物や植物などの育つ様子を写真やコメントをつけて日記につけるアプリだ。
アラームで忘れ防止
餌やりや水やり、掃除など日々の世話を一括して管理できる仕組みで、うっかり忘れを防ぐために指定した時間にアラームが鳴る機能もある。かものはし工房の川村潮代表は「一生懸命世話をすると、動物や植物の成長が分かる。その変化に気付いてほしい」と期待を込める。漢字を使わないなど子どもが使いやすい作りで、日記はPDF形式で印刷もできる。
宇宙に興味があるなら、ドリームズ・カム・トゥルー(茨城県日立市)の「88星座図鑑」で天体観測をしてみるのも面白い。スマートフォンの全地球測位システム(GPS)機能を使った「星座レーダー」で星座の位置が簡単に分かる。国際天文学連合が定める全88種類の星座をカバーしており、それぞれ詳しい情報もみられる。
星座別や天文のテーマごとにまとめられているので、興味があるところだけをピックアップして調べられる。天文イベントを通知してくれる機能も便利だ。親子で使うユーザーが多く、開発者の斎藤達哉センター長は「アプリを上手に使って子どもの宇宙への興味をかき立ててほしい。1年間このアプリを使うと全星座を学ぶことができる」と話す。利用者からは「無料で使える割には情報量が多い」というメッセージが寄せられているという。
ア・メイズ(東京・千代田)の「でんじろう先生の自由研究」は、主に水を使用した実験の様子を動画で見られるアプリだ。テレビなどのメディアにもよく登場し、科学の面白さを伝える活動を続けている米村でんじろう先生が監修した。それぞれの実験がクイズ形式で掲載されており「親子で一緒に考えながら楽しく取り組める」(ア・メイズの赤生一博代表)。ハイスピードカメラで収録されているため、普段は見えない水の一瞬の動きを見られる。
科学の面白さ実感
でんじろう先生の定番ネタの「空気砲」を作る実験もおすすめコンテンツの一つだ。空気の塊を勢いよく打ち出す空気砲を段ボールの空き箱で作り、空気の流れを観測するのに線香の煙を使う。「実際に実験をしてみると、どうして気体がこういう動きをするのか疑問に思うはず。分からなくてもあれこれ考えると、科学が面白くなる」(赤生代表)。
同じ実験系ならインフォメーションポート(東京・新宿)の「理科実験・工作アプリ」も役に立つ。物理や化学の実験から、工作の仕方も収録されている。有料でいろいろな実験を見ることができる。小学生でも取り組みやすいものも掲載している。
例えば水とペットボトルを使ったボトルロケット。圧縮する空気と水の割合を変えながら、親子や友達同士でどれだけ高く飛ばせるか競争しても面白い。水の重さによるボトルロケットの安定性や、空気と水の圧縮率の違いを実験の中で学ぶことができる。
自由研究に限らず、学習で大事なのは自分の頭で考えることだ。今回取り上げたアプリをヒントに個性が光る自由研究を仕上げて、休み明けに友達に自慢しよう。
(証券部 宮川克也)
[日本経済新聞夕刊2015年7月30日付]
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