流行の花柄、職場でオシャレに着こなしたい
羽織り物でさりげなく
「今年は春先から花柄物が人気」とプランタン銀座(東京・中央)広報担当の康松美沙さんは話す。スカーフもカラフルな花柄が人気。夏にはUV効果があり、汗をかいても自宅で洗濯可能な物が人気だという。
洋服は大ぶりの花柄で落ち着いた色合いのものが良く売れている。クールビズで職場でもスーツ以外の肩肘張らないファッションが広がる中、「オフィスでもかわいらしくオシャレを楽しみたいと思う女性は多い」(康松さん)ようだ。
だが、一歩間違うと場違いな印象を与えかねないのが柄物の難しいところ。都内で働く30歳代の女性は「花柄は気になるが、どんな色や柄を選んでいいのかわからない。好きな服を着こなせたら、緊張する会議でも明るく振る舞える気がするのに」と話す。
洋服に抵抗があるなら、「靴やスカーフ、バッグなど小物から取り入れていくのがいい」と助言するのは、雑誌「フィガロ ジャポン」や「DRESS」の編集を手掛けるファッションエディターの青木良文さん。「パンプスなら職場でも取り入れやすいし、夏は花のモチーフが入ったカゴバッグもお勧め。トップスが花柄だと目立つが、ボトムスなら椅子に座れば目立たない」
ふくらはぎの長さのミモレ丈の花柄スカートに、袖がふわっとしたブラウスやカットソーを合わせると、女性らしいという。「今年のトレンドのギンガムチェックもお薦め」(青木さん)と話す。
気になるのは職場で柄物を着用するときのルールだ。職場の服装マナーに詳しい日本能率協会の平井亜矢子さんが挙げるポイントは3つ。清潔感がある、相手に不快な思いをさせない、仕事のしやすさと動きやすさ。「企画系の職種だと、トレンドを敏感に察知することも仕事の一つ。花柄など流行をうまく取り入れれば、消費者動向を押さえているとのアピールにもなる」(平井さん)
服の色は、白、ネイビー、黒、ベージュなど、ベーシックなものを選べば無難。それでも抵抗があるなら、柄のワンピースにカーディガンを羽織ったり、柄のスカートと同系色の色をトップスに持ってくるといい。柄物でもワントーンコーディネートなら、落ち着いて見える。
「花は女性の象徴ともいわれ、立ち居振る舞いもきれいにうつる。花柄が嫌いな男性はいない。オフィスでこそ花柄を着てほしい」(青木さん)。意外な効果もありそうだ。
色を味方に 好印象を
柄物を選ぶ時、忘れてはいけないのが色の効果だ。「花やチェック柄は、下地との色のコントラストで印象が変わる。同系色で差が小さければ、職場でも違和感なく着こなせる」と日本カラーヒーリング協会理事長の関口智恵さんは助言する。
青系の色は空や海、宇宙から見た地球の色を思わせ、万人受けしやすい。初対面の際に着ると好印象を与えやすい。夏は白もよい。心を開いている感じで、相手に素直で爽やかな印象を与える。逆に、初対面で避けたい色は赤。「疲労度が高い時や自分に自信のない人は、赤が苦手なことが多い」(関口さん)
「キャリアアップした女性にこそ着てほしいのがサーモンピンク」と関口さん。堅いと思われがちな印象を和らげる効果があるという。
色の効果は大きいが、誰が着るかによってプラスにもマイナスにもなる。まずは自分が周囲からどんな印象を持たれているかを聞き取りし、引き立つ色を加えれば、よりよい印象を与えることができそうだ。色の力を味方にし、柄物をおしゃれに着こなしたい。
(ライター 巴 康子)
[日経プラスワン2015年7月25日付]
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