キッズパーティー 華やかに彩るには
テーマ決めて雑貨を活用
「大人のホームパーティーと違って子どものパーティーは勝手がわからない」。こう打ち明けるのは都内に住む主婦の藤井佳子さん(42)。6歳の息子のお誕生会を開きたいが「折り紙で輪飾りを作るくらいしか思いつかない」とこぼす。
「まずは子どもの好きな色、キャラクターなどからテーマを決める」。そう教えてくれたのは、一般社団法人日本アニヴァーサリー・プランナー協会(神奈川県鎌倉市)代表理事の辰元草子さん。あれもこれもと詰め込みすぎると、収拾がつかなくなる。
この日は男の子らしく元気いっぱいのイメージで飾り付けには赤、青、緑、黄と様々な色を盛り込んだ。ただ、これは上級テクニック。「飾り付けする時は3色までに絞った方がまとまりが出る」(辰元さん)という。好きなキャラクターや動物などを中心に世界観を統一することも重要だ。
テーマが決まったら買い物だ。おしゃれな雑貨店や100円ショップはアイデアの宝庫だという。ありふれた紙コップやつまようじも、マスキングテープでオリジナルカップやおしゃれなピックに変身する。何かと汚れやすいテーブルクロスも色鮮やかなシャワーカーテンで代用できる。卓上も華やぎ、片付けも手軽になり一石二鳥だ。
部屋に戻って飾り付け――。さて、どこから手をつけたものか、途方に暮れる人も多いはず。「部屋全体ではなく、スポットを決めて集中的に飾りつけをするのがコツ」(辰元さん)。飾り付けは子どもの顔の高さに合わせ、低めにすると写真映えするという。風船や立体感のあるペーパークラフトを壁に貼り付けると、にぎやかな印象になる。
子どもたちがやってきた。いざパーティーの幕開けだ。「すごーい」「この風船遊んでいいの?」と興奮気味。テーブルの上も重要なデコレーションの一部だ。つい山積みにしがちな空揚げもカラフルな野菜と一緒にピックで重ね、きれいに整列するとかしこまった雰囲気に。
皿に使っているのはプラスチック製のフォトフレームだ。「下にレースやペーパーナプキンを敷くだけで雰囲気ががらっと変わる」と辰元さん。平面的になりがちなテーブルもカップケーキスタンドやケーキなど高低差を出すことで一気にボリューム感が出る。
早速食べたがる子どもたちに「先に写真撮らせて」とお母さんたち。パーティーの舞台づくりは大成功だったようだ。
おもてなし学ぶ機会に
初めてのキッズパーティーで陥りがちな失敗が「準備に張り切りすぎてパーティー当日に疲れ切ってしまうこと」。そう教えてくれたのは出張コーディネートやグッズ販売を手掛けるエムアンドエムイーエフ(東京都新宿区)の前田真奈美社長。笑い話のようだが、子どもを喜ばせようと頑張りすぎて、かえってピリピリしてしまうお母さんも多いそうだ。
「パーティーはお母さんの作品発表会ではありません。子どもと楽しむ気持ちの余裕をもって」と前田さん。最初からすべて手づくりにこだわらず、ケータリングの料理にピックを刺したり、デコレーションキットを購入したり、無理のないところから始めてみるのもいいかもしれない。幼児期になれば、子どもも立派なアシスタントだ。皆の喜ぶ顔を想像しながら親子で飾り付けすれば、おもてなしの気持ちを学ぶいい機会にもなる。
飾り付けの楽しみは、パーティーが始まってからゲストと共有してもいい。気の置けない仲間と楽しい時間を共有するのがパーティーの魅力。ルールは無用、まずは気軽に招待状を出してみよう。
[日経プラスワン2015年2月7日付]
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