正月太り、アプリで解消 食生活改善のレシピ充実
「お正月に実家で食っちゃ寝していたら3キロも太ってしまった……」。そうぼやくのは東京・目黒の公務員、山田瑠美さん(26)だ。今年は9連休で例年以上にのんびりしたツケがたまり、すっかり体が重くなってしまったという。
一人暮らしの自宅に戻った山田さんはダイエットを決意。節約にもなるため自炊することにした。料理が苦手な山田さんは早速、ダイエットレシピのアプリをスマホで探し始めた。
山田さんがダウンロードしたのはレシピサイト大手のクックパッドが提供する「ダイエット やせるレシピ」(現在はiPhoneのみ)だ。1人分や作り置きなど一人暮らし向けのレシピが豊富で、家にある食材から好みのレシピを探せる機能が特に気に入った。スマホ片手に日々、自炊しているという。
栄養士が選別
このアプリは2014年3月に公開したアプリ「ダイエットひとりぶん」を全面刷新し、1月半ばに公開したものだ。アンドロイド端末ではまだ「ひとりぶん」しか見られないが、今後は「やせるレシピ」に移行する。
新旧アプリを開発した同社の石川浩子さんによると「ひとりぶん」は本来、山田さんのような忙しく働く一人暮らしの女性を主な利用者として想定していた。
だが「フライパン1つ、コンロ1つで作れるレシピが中心」という手軽さが受け、自宅で昼食を取る主婦や男性会社員らにも拡大。こうした利用者層にも対応するため、リニューアルしたという。
クックパッドの利用者がサイト上に登録したレシピを、同社の管理栄養士がカロリーや栄養配分などを確認のうえ選別。各レシピには栄養士の解説コメントが付いている。調理にかかる時間や食べる時間帯、気分など様々な方法で検索ができる。
健康意識の高まりからか、ダイエットメニューに特化したレシピサービスも増えている。
ネスレ日本が提供する「ネスレ バランスレシピ」も人気アプリの一つ。iPhoneやiPad、アンドロイド端末で使うことができ、ダウンロード総数は100万を超える。同社の管理栄養士など専任チームが監修した1700のレシピを搭載する。
音声操作で便利
使いやすさにも配慮しているのが特徴で、iPad版では音声認識機能を搭載し、調理中の手で画面に触れずに次の工程を見ることができる。「右」「左」「上」「下」など声をかけると、画面が動いて見たい部分を表示してくれるのだ。
製薬大手の第一三共のアプリ「e食材辞典」は高血圧や糖尿病など生活習慣病の患者が食べられるメニューなどに力を入れている。食材ごとに旬の時期や下処理の方法などを紹介しているので、どんな食材を買うか迷った時にも便利だ。
500キロカロリーで1回の食事が済ませられるという社員食堂のレシピが好評なタニタが提供する「タニタの社員食堂」(アンドロイド端末のみ)も人気だ。ダウンロードしたアイコンを開くとインターネット経由で公式サイトにつながる仕組み。季節に合わせた特集が好評で、今は「お正月太り解消レシピ」を特集。2月からは受験生応援レシピを特集する予定だ。
そろそろ新年会も一段落し、外食の機会が減るこの時期は絶好のダイエットの始めどきともいえる。とはいえ、過度な食事制限は体力の低下にもつながりかねない。健康レシピで毎日の食事を改善することで、インフルエンザなどの感染症に負けない体づくりを心がけたい。まずは自分に合ったレシピアプリをスマホで探してみるのも手だ。
(電子報道部 岡田真知子)
[日本経済新聞夕刊2015年1月22日付]
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