ヘルスUP

介護に備える

認知症対策の取り組み、世界で輪広がる 東京でのG7国際会議閉幕

2014/11/28 日本経済新聞 夕刊

認知症への対策が課題になっている主要7カ国(G7)の政府や世界保健機関(WHO)関係者らが集まる国際会議が11月5~6日、東京都内で開かれた。各国が最新の研究成果や取り組みなどを報告。高齢化が最も進む日本も対策強化の方針を表明した。専門家は「認知症対策の重要性を世界で共有できたことに意義がある」と話す。

会議は昨年英ロンドンで開かれた「主要国(G8)認知症サミット」の後継イベントの位置づけで、認知症の「予防とケア」をテーマに各国の政府関係者や研究者が取り組みなどを報告し、意見を交わした。

■各国で研究進む

出席者からは、認知症問題の深刻さや対策の重要性を訴える意見が相次いだ。

「40歳で自分の生活習慣を見つめ直せば、60歳になった時の発症リスクを抑えられる」。こう強調したのは英国の担当者だ。

英国では認知症の人は現在約80万人で、2021年には100万人を超えるとみられている。生活習慣との関係に着目し、40歳以上の全国民を対象に、喫煙や飲酒、運動不足などの習慣を改善するための健康カリキュラムを実施しているという。

深刻な課題になっているのは米国も同じだ。報告によると、認知症患者は約500万人に上り、関連経費は年間千億ドル(約11.7兆円)以上かかっているとされる。25年までに効果的な予防法と治療法を確立し、患者や家族のサポートの拡大を目指しているという。

「認知症の女性が急速に増加し、男性の2倍になった」というカナダも国を挙げて研究を進めており、担当者は「女性の脳の健康が大事だ」と強調した。フランスは、若年性認知症や複雑な症状を診断できる専門的な医療機関が、全国に配置されていることを説明した。ドイツとイタリアからは、治療薬開発などを求める声があがった。

■当事者も参加

高齢化がハイペースで進む日本の対策に対する関心は高い。日本は、厚生労働省が昨年度から始めた「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」の内容を報告した。認知症の人々が地域の中で暮らせるための仕組みづくりなどが注目を集めた。

具体的には、医療・介護の専門職が患者の自宅を訪問する「初期集中支援チーム」や、認知症の高齢者や家族が集まる「認知症カフェ」、住民や商店が徘徊(はいかい)する高齢者を保護する取り組みを説明。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)による、日常生活で簡単にできる認知症予防トレーニングが紹介されると、参加者から「効果がありそうだ」などの反応が上がった。

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL