「現場に近いプレーヤーになる」取引先から学んだ執念ワールド 鈴木信輝・社長(下)

取引先の姿から現場に通う大切さを学んだ(中央が鈴木氏、1999年)
取引先の姿から現場に通う大切さを学んだ(中央が鈴木氏、1999年)
■全ては現場にある。

アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)でのプロジェクトが軌道に乗り一区切りしたこともあって、2004年にはドイツのコンサルティング会社、ローランド・ベルガーへ移りました。入社後1年ほどで課長級のマネジャーになったのですが、ある取引先のメーカーと出会ったことで仕事観を揺さぶられました。

「ちょっと出かけようか」。毎週土日、部長に誘われて出かけたのは郊外にあるショッピングセンター。持参するのは交通量調査などで使うカウンターです。家族連れなどでにぎわうフロアの通路に立ち、自社製品を身に着けている人の数を数えます。競合他社の店舗にも足を運び、今度はのぼりを何本立てているかを数える。現状や課題をひとつずつ数字に置き換える作業をしていたのです。

■「正しい」か考える。

仕事に対する執念を見せつけられた瞬間でした。いくら仮説を立てても、実際にモノを作ったり売ったりする現場に行かなければ課題は見えてこない。現場の力を高めることが結果的に組織を強くすることも痛感しました。どこまでいっても結局は現場が起点になっています。

取引先との出会いから学んだのは、目の前の出来事に対して「本当か」「正しいか」と一歩引いて向き合うことの大切さです。売り上げ動向など客観的なデータの分析も欠かせないし、現場を回って知った肌感覚も重要になる。今も自分が仕事をするうえでの根幹になっています。

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あのころ……
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