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シニアに広がるドライアイ スマホが影響、不眠の恐れ

2021/9/8

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涙や目の表面の状態を検査する二本松眼科病院の平松医師(東京都江戸川区)
涙や目の表面の状態を検査する二本松眼科病院の平松医師(東京都江戸川区)

「目がかすむようになった」「まばたき時に違和感がある」。こうしたドライアイの症状に悩むシニア世代が相次いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛の生活が続き、スマートフォンなどの画面を見る機会が増えたことが要因とみられる。頭痛や不眠につながりかねず、適切な対応が欠かせない。

東京都の60代男性は今春、受診先の医師から「ドライアイの症状です」と診断された。ここ最近、急に文字が見えにくかったり、目がかすんだりして、不便を感じていたという。

二本松眼科病院(東京・江戸川)の医師、平松類氏は「シニアでドライアイの患者が目立っている」と話す。新型コロナ下で「自宅でスマホなどのデジタル機器を扱う時間が急速に増えたことがある」とみる。

総務省の調査によると、2019年と20年のSNS(交流サイト)の利用状況を比較すると、1年間で全年代で増加。全体平均で約5%増だったが、60代は約9%増と、全世代で増加率は「6~12歳」(13.5%)の次に高かった。70代も約7%アップし、シニアの増加が顕著になった。

60代男性も動画配信を見たり、親族とSNSで連絡を取ったりして、スマホ画面を見る時間が大幅に増えたという。

みさき眼科クリニック(東京・渋谷)の石岡みさき院長は「シニアは特に注意が必要」と指摘する。発症の可能性が「加齢に伴って上がることが理由」だ。

要因は2つ挙げられる。一つは「年齢を重ねることで、涙の分泌が減る点」。もう一つは涙の膜は外側から油層、ムチンを含む涙液の2層で構成されるが、加齢で目の外側を覆う油層が薄くなり、「涙が蒸発しやすくなること」という。

ドライアイは涙の質や分泌が低下し、目の表面の健康が保てなくなる病気とされる。スマホの長時間利用やコンタクトレンズの使用によっても、目の乾燥や痛みといった症状が生じる。

医師や研究者で構成するドライアイ研究会によると、患者数は国内で2000万人超と推定される。症状があるのに、診断を受けていない人も少なくない。在宅勤務などの影響で、働き世代が患うケースも出ているという。

平松氏は「ドライアイは直ちに失明などにつながる疾患ではないが、不調を我慢していると、肩こりや頭痛、不眠の原因になる」として「十分な予防が欠かせない」と訴える。

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