日経MJ

2021/8/11

メンズファッションをこれから拡充

ラナでは約30社から服などを無償で借り受けていることから低価格を実現している。例えば、08sircus(ゼロハチサーカス)やF/CE.(エフシーイー)、FACTOTUM(ファクトタム)といった服飾メーカーなどからは、メンズやレディース、帽子をそろえる。

こうしたメーカーの倉庫には眠っている服が少なくない。ラナはそこに目をつけ、メーカーにとっては保管代がかからない代わりに、無償で提供してもらうビジネスモデルをとった。メーカーがラナに提供する期間は半年から1年。詳細は各社で異なるが、ラナは借り手がつけばインセンティブを支払う。

店舗名のラナはスウェーデン語で「レンタル(借りる)」を意味する。スウェーデンでは服の再利用が進んでいることにもあやかった。

ラナでは競合と同様、レディース向けを多くそろえている。しかし開業から数カ月がたち「メンズ向けのニーズが小さくないことが分かった」(酒井室長)。他社との違いを出すため、今後はメンズ向けも拡充する方針だ。

田村駒の事業はアパレルメーカーのOEM(相手先ブランドによる生産)が中心だ。ただ業界では新品の販売だけでなく服のサブスクリプションも広がる。

「SDGs(持続可能な開発目標)の流れが進むなか、以前のように大量に生産できる時代ではなくなってきている」(田村駒)とみて、同社は新規事業に注力する。ラナはその一環だ。いまはBtoB向けだが、将来は店舗を通じて消費者向けビジネスも検討していく考えだ。

(岩本圭剛)

[日経MJ 2021年8月11日付]

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