「倦怠感やだるさが続く患者の一部に、動くと脈が急に速くなる人がいることがわかってきた」と土田医師は話す。こうした急に脈が速くなる症状は「体位性頻脈症候群」と呼ばれ、自律神経の不調で起きることがわかっている。こうしたケースでは投薬などで脈が速くなるのを抑えることで症状が改善できるという。

厚生労働省の委託を受けた慶応大学などの調査では、新型コロナ診断6カ月後に「前の健康状態に戻った」とする患者の割合は約8割。残りの約2割は不調を感じていることになる。ワクチン接種をはじめ感染予防で新型コロナにかからないことが最善だが、後遺症が出た場合は無理をせずに回復に取り組める環境づくりが大切。家族の協力や、職場などの理解が欠かせない。

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自治体などの相談窓口活用

後遺症患者が増えていることに対応して、大学や自治体などが専門外来や相談窓口を設けている。直接患者を診療する専門外来は、聖マリアンナ医科大学や岡山大学、北里大学などが開設している。東京都は都立病院や公社病院の合わせて8つの病院に電話による相談窓口を設置、看護師などが症状などを聞いて必要に応じた医療機関の受診につなげるなどしている。民間でも専門外来を設けたり電話相談などの対応をしたりする医療機関も増えている。

後遺症は、新型コロナの症状が軽かったり感染の自覚症状がなかったりする場合でも起きることが少なくない。海外の調査では、後遺症のうち2割程度は感染の自覚症状がなかったという結果もある。倦怠感など思い当たる症状が続く場合は、医療機関に相談した方がよさそうだ。

(編集委員 小玉祥司)

[日本経済新聞夕刊2021年7月14日付]

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