20年末にはオンライン販売も月間1億円ほどに伸びた。それでも活気のあるクリスマス商戦のような店頭販売には届かない。「まだできるサービスがあるはず」と、今後は海外のデザイナーと映像を中継して商品紹介していく企画も計画している。

草竹さんは入社後、服飾雑貨のバイヤーなどを担当し、19年にラグジュアリー販売統括部に異動して営業への意識が大きく変わった。「より多くの来店客に買っていただいて売り上げを立てるより、1組の顧客にどれほど多く商品を選んでいただけるか考える必要があった」。この個別に向き合う姿勢を磨いてきたからこそ、1対1の接客しかできないオンライン販売で成果を上げられた。

オンラインでも気を配っているポイントがある。「細かなコミュニケーションを通じて顧客をより深く知る」ことだ。どんな服装に自分らしさを感じるのか、どんなライフスタイルを好むのか、ちょっとした挨拶や会話から推し量っていく。顧客がウェブカタログでどのような商品を見ているかも、好みを知る上で重要なヒントになる。

自らの趣味や関心を広げ、深めることで顧客の暮らしに役立ち、話に興味を持ってもらえるような努力も欠かせない。例えば、お酒の種類や飲み方に詳しければ、服を買いに来た顧客が大事な集まりの準備をしていると分かった時、珍しいお酒やグラスセットも紹介できる。「接客の役割は殻を破るお手伝い」。草竹さんは常に顧客の想像を超える接客を目標に掲げる。

新型コロナのワクチン接種が進み、店舗販売にも薄日が差しつつある。「オンラインで見えてきた強みと対面の強みを組み合わせた販売戦略を追求していきたい」。百貨店の看板でもある高級ブランド品を担当する責務を改めて受け止めている。

(泉洸希)

くさたけ・ゆういち
92年に阪急百貨店(現エイチ・ツー・オーリテイリング)入社。本店婦人服飾品販売部を経て、婦人靴などのバイヤーに。現在はラグジュアリー販売統括部ゼネラルマネージャー。

[日経産業新聞 2021年7月7日付]


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