監視カメラの売上高3年で10倍 27歳女性営業の必勝術セーフィー 本多桃子さん

セーフィーの本多桃子さん
セーフィーの本多桃子さん

クラウド監視カメラのスタートアップ、セーフィー(東京・品川)が新型コロナウイルス下で導入企業数を増やしている。販売を委託する代理店営業を担当するのが本多桃子さん(27)だ。競合企業から転職し、3年で担当代理店経由の売上高を10倍に伸ばした。代理店と最終顧客、競合相手を徹底的に調べて、ツボをついた提案で実績を上げている。

セーフィーは監視カメラ映像をクラウドで効率よく管理するシステムを扱う。遠隔地をリアルタイムで確認し、録画データを様々な分析に活用できる。コロナ下でも小売店や飲食店、建設業などに広がり、2020年の全社売上高は19年比2.5倍だった。その4割を担うのが本多さんだ。セコム、NTT東日本など有力企業を販売代理店とし、一緒に顧客開拓もする。

「顧客は商品そのものより、抱えている課題の解決を求めている」。こう考える本多さんの営業スタイルは、まず相手を知り尽くすことから始まる。例えば、ある代理店先でATMへの導入案件が浮上した。セーフィーには金融機関への導入実績や営業経験を持つ人もいない。本多さんは銀行の中期経営計画を読み込み、ニュースをチェックするなかで低金利で厳しい経営環境に着目した。

警備員のATM巡回の一部をカメラの遠隔監視で代替し、コスト削減を実現できることを強調した結果、受注に成功した。金融機関への導入は安全性の保証にもつながり、大企業や他の金融機関から引き合いを受けた。

代理店の事情も目配りする。代理店にも警備サービスや通信サービスなど自社商品を拡販したいタイミングがある。そこでセーフィーの商品をセットで売り込めるよう提案していく。セットの特徴や活用例などをA4用紙1枚にまとめて代理店の営業担当に渡すなど、顧客に刺さるポイントを共に追求する格好だ。

さらに本多さんは「敵を知らなければ勝負できない」と強調する。敵とは競合製品や類似サービスのことだ。糧にしている失敗談がある。大手飲食チェーンの社長にプレゼンの機会を得て、意気込んで説明したが、投げかけられた質問は「今のより優れている点はどこか」。同社は既に違うブランドのクラウドカメラを導入しており、セーフィーの優位性を求めていた。

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら