同センターでは13年から音楽療法を実践している。1回40~50分のプログラムで、患者になじみの深い地元や季節の歌などを活用する。高齢患者に一番盛り上がるのは、ソーラン節や北海盆唄といった民謡を歌いながら手拍子や合いの手を入れるパートだ。懐かしい曲を聞くと「当時を思い出してうれしかった」といった反応が多いという。

プログラムの最後には、全員がトーンチャイムという楽器で曲を奏でる。音が心を落ち着かせるうえ、自分が演奏できるとやる気につながるという。現在は1年半ほど休止中だが「新型コロナの感染が落ち着き次第再開したい」(内島さん)と話す。

◇  ◇  ◇

抑うつや不安など改善

音楽療法はパーキンソン病だけでなく認知症の症状緩和や改善などにも有効とみられる。認知症疾患診療ガイドラインでは「(暴力や抑うつなどの)行動・心理症状、不安などの改善に効果があるとされる」としている。病院での音楽療法を監修する東京都立産業技術大学院大学特任教授の佐藤正之さんは「音楽は情動に働きかけ、興奮を静める効果があるとみられる」と話す。

認知機能障害が悪化しているパーキンソン病患者では、複数の動作を同時に行う音楽療法は難しい場合もある。ただそういった人も音楽を効果的に用いることは可能だ。調子が悪くなって歩きにくくなった場合などに「『うさぎとかめ』などを鼻歌で歌うと対処しやすくなる」(佐藤さん)という。

(尾崎達也)

[日本経済新聞夕刊2021年6月16日付]

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