ただ、いざ始めるとうまくいきません。石油の価格が安く、買うと言っていたお客さんからも「メリットはあるの?」と聞かれる。当時はまだ、環境への貢献を訴えればガスが売れる時代ではありません。見通しの甘さを反省しました。

それでも諦めず、できることは何でもやりました。LNGを販売する場合、お客さんの工場に小さなタンクを設置するのですが、タンクの管理には高圧ガス製造保安責任者の資格が必要です。これが販売を妨げるネックとなっていました。

■部長になって課長時代の努力が実る。

そこでお客さんに資格を取ってもらうべく、過去問から試験対策用の資料を作りました。通常の仕事ではありませんでしたが、お客さんのためと思うと楽しくて仕方ありませんでした。

とはいえ、課長時代はお客さんをつかまえることができませんでした。努力が実り最初の長期契約の顧客を獲得したのは部長になってからです。たった7人の会社でしたが、自分たちでくす玉をつくり、小さな祝賀会を開きました。普段は冗談しか言わない仲間も、みんなが涙しました。苦労すると、涙が出るものなんですね。何事にもチャレンジするんだという思いは今も変わりません。

あのころ……

2000年3月、電力の部分自由化が始まった。大規模工場やオフィスビルなどが電力会社を自由に選ぶことができるようになった。中部電力は子会社のエル・エヌ・ジー中部を通じ、大規模工場向けにLNGの販売を始めた。

[日本経済新聞朝刊 2021年5月12日付]


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