ぺんてると連携、分科会作り模索

――2019年以降、ぺんてるの経営権確保を巡り、敵対的買収をしかけたコクヨに対し、プラスはホワイトナイトとして株式の争奪戦を繰り広げました。両社ともぺんてる株の過半を取得できず膠着状態が続きますが、今後の展望は。

「4割強を出資するコクヨがいつまで我慢するのか。3割出資する我々だって、いつまで我慢ができるのか。今後のことは全く分かりません」

東京・銀座に出店した「アンコーラ」は、複数の文具を組み合わせたギフト需要の開拓を狙う

「ただぺんてるとプラスで分科会を立ち上げて協業できる分野がないのか検討を進めています。アジアでの販路拡大も、ぺんてると一緒にできればより効率的です。できることを一つ一つ探っていきます」

――3月に東京・銀座にセーラー万年筆と共同で小売店を出店しました。その狙いは。

「文具は単価が低い商品が多く、ギフト需要は余り見込めませんでした。そこで幅広い文具を扱うことで付加価値を高め、顧客に文具を組み合わせたギフトを提案したいと思っています。店舗で顧客の生の声を聞けることも大きな魅力です。うまくいけば海外展開も検討していきます。1人あたりGDP(国内総生産)が1万ドルを超えるエリアが、アジアで増えています。海外でパートナーを探し、こうしたエリアで小売店を展開出来ればと考えています」

(聞き手は日経MJ次長 北沢宏之)

今泉嘉久 1966年(昭41年)米イサカ大卒、プラス入社。72年取締役、83年社長。20年から現職。趣味は読書と庭仕事。東京都出身。78歳
■メーカーと流通業者、2つの顔
 文具・オフィス家具を扱うプラスはメーカーと流通業者、2つの顔がある。現在はZホールディングス傘下のアスクルも、プラスが1993年に立ち上げた通販サービスが発祥だ。また、ペンなど特定ジャンルに特化したメーカーが多い業界の中で、プラスは「総合文具メーカー」を掲げる。近年ではぺんてるやセーラー万年筆との連携も深めている。
 M&A(合併・買収)により売上高を拡大してきたが、2020年12月期の連結売上高は1833億円と前の期に比べて2%減った。新型コロナの影響で進んだペーパーレスの動きで、文具の落ち込みが響いた。文具の国内市場が縮小し続けるなかで、新たな需要開拓を迫られている。
(下川真理恵)

[日経MJ2021年5月3日付]

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