社内では「銀座は特別な場所だ。知名度が下がるのではないか」と反対する声も多数あった。貞松社長は「いつかまた出店するために、今は体力をつけるべき」と説得。20年末、3年半の歴史に幕を下ろした。

「接客を科学」でファン増やす

カスタムメードや旗艦店の閉店は、ブランドの独自色を打ち出せなくなる恐れもあるが、貞松社長はあまり意に介していない。独自のデザインは顧客を増やすきっかけで、店舗や商品ではなく従業員の接客技術によってファンを増やす「接客を科学する」という考えがあるからだ。

フェスタリアHDでは従業員は売り上げではなく、来店客のデータをどれくらい集めたかで評価している。勤務先や記念日、子供の年齢、以前買った商品を身に着けているかまで、全て自然な会話の中で聞き出していく。本当に欲しい商品が適した時期におすすめでき、再購入や高単価商品の販売につながるからだ。

これまで売った商品や客層を分析して従業員ごとの得意・不得意も見つける。コロナ下にあっても顧客データに基づき電話やメールで接点を持つことで客をつなぎ留めることができた。

今後はSNSやチャットを活用した接客に乗り出す考えだ。「顧客データとデジタル接客は相性がいい。店のみでなく360度、接点を持ち続ける」(貞松社長)。コロナ後を見据えた改革は今後さらに加速する。

(佐伯太朗)

2006年に当時のサダマツ(現・フェスタリアHD)の旗艦ブランドとして誕生した。イタリア語のフェスタ(特別な)とアリア(場所)を組み合わせた。星から着想を得た独自商品が多く「星に願いを込める」という物語を訴え、顧客層を広げてきた。

[日経MJ 2021年4月23日付]


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