中型のGMSはコロナ下で好調

――イオンの成長戦略は大型モールの積極出店とM&Aが二本柱でした。コロナで環境が激変しましたが、これからの戦略の柱は何でしょう。

「今後は総合スーパー(GMS)と食品スーパー(SM)、ドラッグストアに専門店を加えた小売部門を強化します。GMSやSMの営業利益はこれまで低迷していました。半面、改善余地は大きいともいえます」

コロナ下で地域一番店の強みがさらに増す(千葉市の「イオンモール幕張新都心」)

「最も苦戦していた中型のGMSが、コロナ下で好調です。遠出を避けて、近場で買い物を済ませたいとのニーズが増しています。こうしたニーズをとらえ極めることも重要です。GMSの中にホームセンターのような商材があってもいい。テナントもアパレル重視から、もっと日常生活に密着した物があってもいいと思っています」

「テナントも物販に限る必要はありません。医療機関やドラッグストアが入居し、地域の健康拠点になるのも選択肢です。社内では『ビヨンドリテール』と呼んでいますが、従来の小売業の発想を超えて新しい市場を創りたいと思っています」

――とはいえイオンモールの出店余地は、国内ではもう乏しいのでは。

「モールだって成長余地はありますよ。商業施設間の競争が激しくなり、淘汰される施設が出てくるでしょう。物を売るだけでなく、様々な機能を持たないと厳しくなります。テナント企業も出店先を厳選するでしょう。イオンモールはSC最大手の強みがあり、地域一番の施設には優良テナントが集中します。するとその施設にはさらに顧客が集まり、他の施設と差が付きます」

――一時期に比べてイオンのM&Aの動きが静かになった印象です。

「(M&Aを)やらないわけではありませんよ。企業の成長には当然、必要ですから。お伝えした5つの成長市場でチャンスがあれば、他社を取り込んで一気に大きくしたいと思っています」

次のページ
既存事業では経営効率重視
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら