――小売業として、どのような将来像を描いていますか。

「当社はもともと土屋裕雅会長が、他のホームセンターとは違う道を歩もうとやってきました。これからは、小売りの枠を超えようと言っています。お客さんは商品だけを見ているのではなく、企業の姿勢まで見ています。ミレニアル世代やZ世代は大量消費をするよりも社会と向き合う意識が強い。この層が消費する層になった影響があったように思います」

――金融から製造業を経てカインズの社長に就任しました。なぜ小売りに転じたのですか。

「業種によって見方を変えたことはありません。成長できる要素がどれくらいあり、自分がどれだけ貢献できるかを考えてカインズに来ました。カインズは(売上高が)4000億円の会社になっても社員の士気がとても高い。これが小売業にとって最後の武器になると思っています。我々は人がベースです」

――ホームセンター業界は20年、大型再編が相次ぎました。

「今後もあると思います。当社も17年にDIY用品販売の大都に出資しましたし、体験型店舗を運営する米b8ta(ベータ)にもファンドを通じて投資しています。チャンスがあれば(他社への投資も)やりますし、必ずしも同じ業界とは限りません」

(聞き手は企業報道部次長 佐々木元樹)

たかや・まさゆき
 1985年慶大経卒、三井銀行(現三井住友銀行)入行。2004年ミスミ(現ミスミグループ本社)入社、08年社長。16年にカインズへ転じ、取締役や副社長を経て19年から現職。趣味は学生時代に打ち込んだテニス。東京都出身。57歳。
■独自商品強化、成長続けるカギ
 カインズの2020年2月期の売上高は前年同期比4.7%増の4410億円、営業利益は同9%減の271億円と増収減益だった。増収は7期連続。非上場のため21年2月期の業績予想は非開示だが、コロナ下の巣ごもり需要を取り込み、増収が続きそうだ。
 飽和状態にあるホームセンター市場にあって、ロボットによる接客やアプリと連動した売り場作りなど、デジタル技術を活用した収益強化策を進める。ただ得意とする日用品や雑貨の領域では、「ニトリ」や「無印良品」などとも品ぞろえが一部重なる。成長を続けるためには独自商品やサービス面を強化し、カインズらしさを引き続き打ち出す必要がありそうだ。
(佐伯太朗)

[日経MJ2021年1月25日付]

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