ハーフサイズをシリーズ展開

――コロナ後にスーパーでは、出来上がった総菜よりも、生鮮など料理の材料が伸びたという話がありました。

「少し似ていると思います。来年は、ウイスキーのハーフサイズの新商品をシリーズ展開することを考えています。若い方が小容量のウイスキーを買う動きがあります。もうひとつ力を入れたいのはパーソナルギフトです。父の日が典型ですが、本当に大切な方、好きな方に、ウイスキーを贈ることが増えています」

――需要が膨らんだことで、ウイスキーは数年来、原酒不足が課題になってきましたね。

ウイスキーの原酒を樽(たる)に詰めて熟成する(山梨県北杜市のサントリーHD白州蒸溜所)

「出荷調整はどうしても続けなければいけません。一気にではなく徐々に供給を増やせるよう、着々と準備を進めています。設備にはしっかりと投資をしていきます」

――ウイスキーはまだ伸びしろがありますか。

「21年以降も市場全体は年2~3%伸びるとみています。10年以上連続で伸びているので『ウイスキーの成長の灯を止めない』を合言葉にしています。ハイボールが(日本酒や焼酎のように)日本人のソウルドリンクになればと思います」

――ソウルドリンクとは面白い言葉ですね。初めて聞きました。

「一日の疲れをとる自分の相棒のような存在です。一生懸命働いたあとの楽しみとして、食卓にお酒があって、食事もおいしく感じる。幸せを感じることで、明日の活力につながる。会社の先輩であり、コピーライターの開高健さんがトリスの商品で『人間らしくやりたいナ、人間なんだからナ』という言葉を生みましたが、今の時代にとても大切にしたい大事な言葉だと思います。コロナ禍で日本人みんなが何とか乗り越えないといけないときに、力になりたいとの思いがあります」

――缶チューハイなどのレディー・トゥー・ドリンク(RTD)市場が伸びています。

「前年比で1割ほど伸びが続いています。健康への意識が強まり、新商品を準備しています。レモンサワーもチャンスだと捉えています」

――異業種の日本コカ・コーラがレモンサワーで市場に参入したことをどう思いますか。

「しっかりケアしないといけないなと。レモンはRTDの味の5割を占める主戦場ですので、当社はリーディングカンパニーとして新しいものをつくっていく。来年はRTDで攻める年にしたいと思っています」

次のページ
チューハイ類の品質にこだわる
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら