コロナ禍にあってテレワークなど働き方もニューノーマル(新常態)となり、会社や組織そのものが変容しなければなりません。今だからこそ「会社とは何か」を改めて真剣に考えるタイミングだと思います。「会社」を正確に理解しないと深く考えることもできないからです。

その後、商社から畑違いのIT(情報技術)業界に転じる。

当時の不安を払拭してくれたのが『巨象も踊る』。金融のアメリカン・エキスプレス、食品のRJRナビスコを経てIBM初の外部からの最高経営責任者(CEO)となったルイス・ガースナー氏の自伝です。自分の境遇と重ね合わせて読みました。「わたしは技術を完全に理解しているわけではない。技術を学ぶ必要はあるが、完全に理解するとは期待しないように。部門責任者は、技術の言葉をビジネスの言葉に翻訳するのが役割だ」の箇所で、膝を打ち、そうするように心がけました。

クラウド、ビッグデータ、仮想などIT用語の概念を知らないと会社の経営計画も組み立てられません。『クラウド化する世界』はITの世界の方向感を示してくれました。IT活用でビジネスモデルの変革を誘ってくれます。

コロナ禍であらゆる時間が早まりました。同時にテレワークにより時間的余裕も生まれました。この時間を有効に使わない手はありません。今年は特別な秋の夜長になるでしょう。読書で知の蓄積をしていきたいです。

(聞き手は編集委員 田中陽)

[日本経済新聞朝刊2020年9月19日付]

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