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期間限定お得なパスタ3皿をテラス席で 東京・六本木

日経MJ

夏のスペシャリテで提供する「山梨県 大塚さんのアイコトマトでポモドーロ スパゲッティーニ」
夏のスペシャリテで提供する「山梨県 大塚さんのアイコトマトでポモドーロ スパゲッティーニ」

「3密」が避けられるとあって、テラス席を備える飲食店は盛況だ。東京・六本木にあるイタリアン「KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA 東京ミッドタウン店」もその一つ。場所は東京ミッドタウン・ガレリア・ガーデンサイド2階で、マザーレストランツ(東京・港)が運営している。

2015年11月オープン当時からテラス席を用意しており、春は桜、冬にはイルミネーションを楽しめるとあって、ここからの景色を楽しみにするリピーターは多かった。もともとテラス席は人気で44席あったが新型コロナウイルス対策として、テラス席の席数を33席まで減らして営業している。それでも雨天以外はテラス席から埋まってゆく。

手ごろな価格で料理を楽しめるカジュアルイタリアンで、特に「パスタのKNOCK(ノック)」と言われるほど、スパゲティメニューに力を入れている。スパゲティは日替わりを含めて約20種類を用意。それらに組み合わせるのは日本各地の産地から直送される旬の野菜だ。

メニューを前に思案するのもこの店の楽しみだ。看板メニューはひき肉がたっぷり入り、濃厚なうま味がある「自家製ミートソース」は、これを目当てに遠方から足を運ぶ客もいるほど。ランチタイムはスパゲティにサラダとパンがついて1320円で提供。麺の量も選べることができ、Sサイズの約2倍に相当するLLのみ220円の追加料金が発生するが、つけ麺店のような気前の良さだ。

ランチタイムはあっという間に満席になるのはさすが。ディナーの予約も順調だ。コロナ前の月商は2150万円だったというが、現状はどうだろう。KNOCKグループの総料理長を務める梶原政之シェフは「コロナ対策として席数を減らして席間に余裕をとっています。コロナ前と比べると売上げは1~2割落ちる月もありますが、まずは安全と安心、それと居心地のよさを優先しました」と話す。

開放感のあるテラス席。各テーブルにはアルコールスプレーが置かれている

同店を含めて4店舗を見ている梶原シェフは、最近のお客の利用動向に変化を感じているという。「ランチタイムのビジネスワーカーの利用がこれまで以上に増えています。ディナーはフルコースよりもハーフコースやアラカルトなど、短時間利用のお客様が増えています」と話す。

そうしたニーズに応え、ミッドタウン店では、前菜とスパゲティ3皿にデザートで3850円というコースを期間限定で設定した。1皿は「山梨県 大塚さんのアイコトマトでポモドーロ スパゲッティーニ」で決まっているが、その他の2皿は自由に選べる。

正直、スパゲティだけで満足できるのか不安だったが、取材時にはサマートリュフを使った2000円以上のスパゲティも追加料金無しで選べるなど、お得感は十分。なにより、「パスタで日本一の店を目指す」と宣言するだけあって、3皿とも季節感があり、ボリュームも手ごろ。筆者はあと1皿追加しようか迷ったほどだ。ちなみに1時間半程度で食事を終えた。

スパゲティ3皿コースに、コロナ時代を乗り切るヒントがあると感じた。予算を抑えて品数を楽しめるメニュープランはお客にとってコスパが良く魅力だ。一方、飲食店側は席数を減らした分、回転率を上げて稼ぎたいだろう。「オトク+時短」というコース設定は、店とお客の双方にメリットがあると感じた。

(フードジャーナリスト 鈴木桂水)

鈴木桂水(すずき・けいすい)
フードジャーナリスト・食材プロデューサー。美味しいお店から繁盛店まで、飲食業界を幅広く取材。“美味しい料理のその前”が知りたくて、一次生産者へ興味が尽きず産地巡りの日々。取材で出会った産品の販路アドバイスも行う。

[日経MJ 2020年8月28日付]

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