昼おしゃれカフェ、夜居酒屋 東京駅ナカの新スポット
セレクトショップのベイクルーズ(東京・渋谷)傘下のフレーバーワークス(同)は、デリカテッセン「CITYSHOP(シティショップ)」の新店を東京駅構内に開いた。昼間は洋風のランチプレートを提供し、夕方から夜にかけては健康的な食材を使った居酒屋として営業する。ビジネスパーソン中心に人通りの多い立地で、ブランドの認知度を高めたい考えだ。
「ただいまから居酒屋営業となります」。午後5時、JR東京駅構内のシティショップの雰囲気は一変する。店の入り口にのれんをつり下げてちょうちんを掲げ、店先の看板は「居酒屋」仕様に変更。昼間は若い女性でにぎわうおしゃれなカフェが、健康志向の居酒屋に衣替えした。
シティショップは2015年に東京・南青山で初出店した後、これまで都内で4店舗を出店。野菜や穀物を中心としたサラダ料理が主力で、ピザや麺類の専門業態も出店する。質の高い野菜を前面に押し出すことで、健康志向の20~30代女性から支持を集めてきた。一部の店舗では婦人服や雑貨も販売する。
フレーバーワークスが新店を構えるのは、JR東京駅構内の駅ナカ施設「グランスタ東京」。シティショップとして初めて居酒屋営業を始めた。午前7時の開店から午後5時までは既存店と同じくプレート料理を販売するが、夕方からはメニューを一新。マーボー豆腐や唐揚げといった居酒屋の定番料理を、野菜をふんだんにつかったメニューで提供する。アルコールも販売し、新鮮なレモンを使ったレモンサワーなど酒類でも「健康志向」を打ち出す。
食事後に帰宅するビジネスパーソンが「おみやげ」を購入できるキオスク型店舗も併設した。シティショップが店内で取り扱う丸パンやクロワッサンに加え、自宅用の大型サラダも用意する。
グランスタ東京は観光客に加え、丸の内や八重洲のビジネスパーソンが多く行き来する。「若い女性に加え、男性客も多く取り込める業態として居酒屋を選んだ」(フレーバーワークス)。新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況ではあるが「1人飲み需要を中心に、想定を上回るペースで客数が増えている」(同)という。シティショップとして初の駅ナカ業態でもあり、実績を見て今後の出店にもつなげる方針だ。
セレクトショップ大手で「ジャーナルスタンダード」などのブランドで知られるベイクルーズだが、近年は飲食業態に力を入れている。フレーバーワークスは米国風ハンバーガー「J・S・バーガーズカフェ」などを運営。海外ブランドを日本で展開するライセンス事業にも強みを持ち、2019年にはチーズティー店「マチマチ」を開いた。
新型コロナの影響で店舗の営業時間を短縮するなど苦戦も続くが、ベイクルーズは6月に食関連のネット通販サイトを始めた。出店先や販路の拡大で飲食店としても知名度を高めたい考えだ。
(堺峻平)
[日経MJ 2020年8月26日付]
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