ふんわりタオルにする洗濯術 干す前に20回振って洗濯家 中村祐一

写真はイメージ=PIXTA
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洗濯の相談を受けていると、タオルに関する悩みは驚くほど多い。なかでも目立つのが「くさくなる」「黒ずんでしまう」「ごわごわになる」の3点。毎日使って頻繁に洗濯するものだけに、気になりだすと止まらない。

まずはニオイの問題。タオルは他の洗濯物と比べ、生地が含んでいる水分の量が多い。使った直後から干して乾くまでぬれている時間も長く、雑菌が繁殖しやすい。汚れがきちんと落ちていないと嫌なニオイが出やすいアイテムだ。

ニオイを防ぐ方法のひとつとして、使用後すぐに洗濯できないときには一度干し、水分を飛ばしておくのをおすすめしたい。洗濯槽や洗濯かごの中で湿ったまま置いておくと、その時点ですでに嫌なニオイが出てしまうこともある。

いざ洗濯というときにはしっかりと皮脂などの汚れを落とすよう心がけたい。効果的なのはこのコラムでもよく紹介してきたお湯を使って洗う方法だ。洗濯機を使ってお湯で洗えるといいが、難しい場合は洗濯機に入れる前に粉末洗剤を溶かしたお湯を用意し、つけ置きするとよい。粉末洗剤は弱アルカリ性になるため、ニオイの原因となる皮脂やタンパク質の汚れ、多くの菌にも強い。タオルの白さも取り戻しやすい。

つけ置きした後、タオルを取り出して洗濯機に入れる。乾いた状態で入れると、タオルが水分を吸い、洗濯機の中の水が通常に比べて少なくなりがちだ。水量が足りないと、汚れが行き場を失い、洗濯物に戻ってきてしまう。黒ずみなどが起こる原因にもなる。つけ置き後のぬれたタオルはそのまま洗濯機に入れる方がいい。

縦型洗濯機であれば、洗濯物がしっかり水につかっているかも確認しよう。洗濯物が水面から出ているようであれば、水量を1段階多くするのも黒ずみ対策になる。

仕上げの柔軟剤はタオルでは使わないか、極力少なめにしてほしい。柔軟剤は洗濯物を柔らかく仕上げられる半面、タオルなどの吸水性を下げる性質も持っている。僕はタオルのような水分を吸わせたいアイテムでは柔軟剤をほとんど使わないようにしている。

○お湯につけ置き
○繊維が起き上がる

△湿ったまま放置しない
△柔軟剤は極力使わず

ごわごわにせず、ふんわりと仕上げるためには洗濯が終わった後にもう一工夫。干す前に20回程度振ってみよう。タオルの表面にループ状に織られた繊維(パイル)が起き上がり、ふんわりした手触りが戻りやすい。もし使えるならば、ドラム式(横型)の乾燥機を使うのもおすすめ。温風で乾かしながら回転させていくと、上手に仕上がると思う。乾燥機があっても使わない人は意外と多い。ぜひ試してみてほしい。

たかがタオルだが、されどタオル。例えば風呂上がりに気持ちよく洗濯されたタオルを使う。それだけで心地よく過ごせるはずだ。

中村祐一(なかむら・ゆういち)
1984年生まれ。クリーニング会社「芳洗舎」(長野県伊那市)3代目。一般家庭にプロの洗濯ノウハウを伝える「洗濯家」として活動。「洗濯王子」の愛称でメディア出演も。

[日本経済新聞夕刊2020年8月4日付]

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