老化遅らせ病気を予防 鍵握る抗酸化力、高めるコツは

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写真はイメージ=PIXTA
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老化や病気の一因として知られる「酸化」。体内で発生する活性酸素が引き起こす、いわば体のサビつきだ。若々しさや健康を保つためには、抗酸化力を高める必要がある。酸化の仕組みと対処法を追った。

金属は空気中の酸素に触れていると、やがて赤茶色にサビてしまう。この酸化という現象が、実は体の中でも起こっている。

呼吸によって取り込んだ酸素は、食事でとった栄養素を燃やし、エネルギーを作り出すために使われる。この過程で、取り込んだ酸素の一部が活性酸素という強い酸化作用のある化合物に変わるのだ。

活性酸素は体内に侵入した細菌やウイルスなどの攻撃から体を守る働きをしている。しかし酸化力が非常に強いため、増えすぎると正常な細胞まで攻撃してしまう。つまり活性酸素には功罪の二面性があるわけだ。

一方、体内には活性酸素を無害化する仕組みも備わっている。体が酵素など多様な抗酸化物質を作り出しているからだ。体内の抗酸化力によって、若い頃は活性酸素の量が一定に保たれている。ところが中高年になるにつれ、抗酸化物質が減っていく。「活性酸素過多になって、抗酸化力と活性酸素のバランスが崩れた状態を『酸化ストレス』と呼ぶ」。こう解説するのは、岐阜大学抗酸化研究部門特任教授の犬房春彦氏だ。

酸化ストレスが続くと、全身の細胞が傷つき、シミやシワが増える、視力が落ちる、骨がもろくなるなど、体のあちこちで老化が進むことがわかっている。

老化だけではない。犬房氏によると「150種類以上もの病気の引き金になると言われている」。動脈硬化、糖尿病、認知症、心臓病、がんなど深刻な病気とも深い関係がある。「病気になることで酸化ストレスが増幅し、さらに病気が進行する悪循環に陥る」と警告する。これを抑えることは、多くの病気の予防・治療につながるという。

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