『SONYの旋律』で知る 音楽感性と経営力のつながりミュージックセキュリティーズ社長 小松真実氏

小松真実氏と座右の書・愛読書
小松真実氏と座右の書・愛読書
20年前、音楽家を支援するためのファンド運営会社を立ち上げた。
こまつ・まさみ 1975年生まれ。大学卒業後、2000年にミュージックセキュリティーズ設立。ネットを通し社会的事業に投資・寄付する企業に発展。

学生時代からバンドでドラムと作曲を担当していました。音楽で食べていくつもりでした。当時、ある違和感がありました。無名の音楽家が売り出すためにレコード会社のいいなりにならざるを得ないことです。そこで、自由な創作活動ができるよう、個人から小口のお金を集めて音楽家に投資する会社をつくったのです。

このころ読んだ本が私の宝物になっています。『SONYの旋律』です。ソニーの社長・会長を務めた大賀典雄さんが日本経済新聞に連載した「私の履歴書」をまとめた本です。大賀さんは東京芸大卒の声楽家でもあります。音楽家が会社のトップを務め、事業にその感性を発揮するところはユニークであり、音楽家の端くれである私のあこがれになりました。米CBSレコードを買収するくだりなどはとてもダイナミックで、ビジネス書としても参考になります。

実は大賀さんに一度だけお会いしたことがあります。うちの会社でファイナンスしたCDをより多くの人に知ってもらうために、「ソニーミュージックで売ってもらえませんか」とお願いしたのです。大賀さんは「音楽家のためなら、応援しよう」と快く応じてくださいました。そのとき持参したこの本にサインまでしてもらいました。

転機に本が背中を押してくれた。

学生時代に資産運用会社でアルバイトしていたことから音楽家支援の仕組みを思いつきました。そのとき読んでいたのが音楽から航空までの巨大な企業グループを築いたリチャード・ブランソンの自伝『ヴァージン』です。彼は一介の学生にすぎなかったころから、ミック・ジャガーやジョン・レノンのインタビューを取ってくるなどチャレンジングな人でした。この本が私に新たな挑戦への勇気を奮い起こしてくれました。

支援する対象を音楽から広げたときには『闘う純米酒』という本がかかわります。埼玉県にある神亀酒造を率いた小川原良征さんを描いています。

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