『ファーブル昆虫記』の好奇心 採集の楽しさを広げる国立情報学研究所所長 喜連川優氏

大学などの授業をインターネット経由で誰でも受けられる「大規模公開オンライン講座(MOOC)」では閲覧履歴から、皆がつまずく、わかりにくい場所を特定し、改良するのは当たり前になりました。デジタル書籍も、内容が連続的に進化するのが当然になるでしょう。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)という危機に直面し、原点に帰ることが重要と説く。

新たな状況に適応するためには、原点に立ち戻って考えなければいけません。ITはそもそも変化が極度に速く、原点回帰には慣れていました。コロナ禍によってテレワークやオンライン授業への転換を迫られ、大都市以外では通信インフラの脆弱さが浮き彫りになりました。通信帯域が有限の共有資源であることを再確認し、通信量を減らす「データダイエット」を呼び掛けたところ大きな反響がありました。

私たちの研究所は主要大学と共同で3月からほぼ毎週、遠隔授業の導入を支援するサイバーシンポジウムを開いてきました。多くの教員らの間で多様な講義スタイルが提案・共有され、心のケアや障がい者への配慮、図書館のあり方なども議論され、教育の新たなスタイルが生まれそうな予感がします。シンポジウムの録画はネット上で視聴できます。手作りの「本」と言えるかもしれません。

(聞き手は編集委員 久保田啓介)

[日本経済新聞朝刊2020年6月20日付]

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