何とでも合うお餅 おこわ・お好み焼き風にアレンジ管理栄養士 今泉マユ子

2020/1/14

お雑煮用に用意したお餅が残っていないだろうか。個包装入りの大袋を購入したものの、途中まで使ったところで何カ月か過ぎ、もう食べる気がしない――そんなことを毎年繰り返している人もいるだろう。鏡餅をどのように食べるか悩む人もいるかもしれない。

お餅は常温保存が可能でエネルギー源になるので、災害時の備蓄に最適だ。米やパスタの調理には水が必要だが、お餅は焼きさえすれば水いらず。電気が使えるなら、電子レンジやトースターで簡単に調理して食べることができるので、買い置きをお勧めしたい。

とはいえ、手元にあるお餅をしまい込んで賞味期限が切れてしまえば元も子もない。そこで普段からお餅を食べるようにし、食べたら新たに購入して保管すれば、賞味期限切れを防ぎながら備蓄できる。今あるお餅はおいしく食べてしまおう。

大根おろしをお餅に絡ませた「からみ餅」は、大根に含まれる消化酵素のアミラーゼがお餅の消化を助けてくれる。糖質をエネルギーに変換するのに必要なビタミンB1が豊富な納豆を添えた「納豆餅」もおすすめの一品だ。

炊き込みご飯を炊く時にお餅を1個入れて炊くと、もち米がなくてもおこわを作ることができる。缶詰のゆで小豆とあわせて「あんこ餅」にしたり、きな粉をまぶして食べたり、砂糖じょうゆで甘くしたり、しょうゆにつけたお餅をノリで包んで磯辺餅にしたり。私はマーガリンをつけてノリで巻いて食べるのがお気に入りだ。

お餅は単体で食べると血糖値が急上昇しやすくなるので、他の食材と組み合わせるのがオススメだ。そう考えると、お餅に野菜や肉などを加えるお雑煮は理想的な食べ方といえる。具だくさんにするほど栄養バランスがよくなる。

煮ても焼いても揚げてもよし、お餅は実は和洋中のどんな料理にも合う。レトルトカレーに加えるとカレー餅に、軟らかくした餅にミートソースとチーズをのせて焼くと「ミートソース餅グラタン」になる。ソースとかつお節をのせてお好み焼き風にしたり、ケチャップとチーズをのせて餅ピザにしたり、様々な食べ方がある。

お餅はよくかんで食べないとのどに詰まるおそれがある。食べやすい大きさに小さく切る。「よくかんで、しっかり飲み込んでね」と声をかける。お茶や水を飲んでのどを湿らせておく。食べる時の姿勢も大事だ。口の中に食べ物をたくさん入れず、よくかんでゆっくり食べよう。シニアに加え、乳幼児も注意が必要だ。

時間がない時や食欲がない時でも食べやすいお餅。お正月に食べるものだと決めつけるのはもったいない。お餅を手に入れやすいこの時期、年間を通じてお餅を活用するきっかけにしてほしい。

今泉マユ子(いまいずみ・まゆこ)
1969年生まれ。管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。

[日本経済新聞夕刊2020年1月14日付]