「安ければ」ではつまらない 日用品、新しい価値提案エステーの鈴木貴子社長

女性人材登用改善余地あり

――女性の人材登用を推進していますが、現状をどうみていますか。

「まだ管理職が十数%なので、全然だめだと思うんですね。意思決定層に女性が半分いた方がいい。ユーザーの7割以上は女性だからです。ユーザーに寄り添った意思決定が必要です。かつてはそれができていなかったから、大容量をうたった商品や便器のイラストが付いた商品が普通に出ていました。今では女性たちがはっきりものを言うようになって、デザインも大きく変わりました」

――社長就任から6年が過ぎましたが、自分を採点すると何点ですか。

「まだまだ(点数を)あげられないですね。会社が脱皮してはいないので。芋虫がいったんチョウになったら後戻りしません。そこまでやらないと点はあげられない」

――創業家出身ですが後継者のイメージは?

「創業家の後は創業家でなくてもいいと思っているんです。でも社長をやってみて、ファミリービジネスの良い点をつくづく感じたんですよね。長期的な視野で考えられるし、短期的に無理に結果を出そうとしないし。あとやはり、今までできていなかったことを自分の代でやりたいという意地もあります。とはいえ生え抜きの社員で優秀な方が多いので、そこはあきらめていないです」

(聞き手は半沢二喜)

鈴木貴子
1984年上智大外国語卒、日産自動車に入社。LVJグループなどを経て2010年エステー入社、執行役。11年取締役兼務。13年から現職。趣味は陶芸。「作品が増え過ぎてしまう」と悩むが、月に1回は通うという。「何段階にも工程があるのが楽しい」とのこと。東京都出身。57歳。
■女性向けカイロ 拡大急務
エステーの2019年3月期の連結売上高は前の期比1.7%減の477億円だった。気候変動の影響を受けやすい防虫剤やカイロが苦戦した。カイロの売上高は同20%減の51億円だった。カイロの売上高に占める構成比は全体の1割程度だが、業績全体を押し下げる要因となった。
一方で、構成比の4割強を占める消臭芳香剤は前年比1.6%増の208億円と堅調だ。良い香りで付加価値を訴求する「消臭力プレミアムアロマ」シリーズの商品展開を広げたことが奏功した。女性向けの冷え対策カイロなど一年を通して需要が期待できる商品の売り上げ拡大を急ぐ。
(下川真理恵)

[日経MJ2019年12月23日付]

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