ステーキ調理の科学 じっくり弱火焼きでジューシーに

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ジッパー袋で 塊肉も簡単に

マイタケやキウイ、ショウガを使い肉をやわらかくする方法もあるが、重曹は安価で保存可能で、いつでも使える。ただ、肉の味には影響を与えないものの、入れすぎると苦味が出てしまうので要注意。

塊肉で作るローストビーフは火の通り加減の見極めが難しい。「耐熱のジッパー式袋に入れて湯につける調理法なら失敗がほとんどない」と露久保さんは話す。熱は温度の高いところから低いところへ伝わるため、湯に塊肉を沈めれば、全方向から同じ温度で肉に熱が伝わり、加熱ムラが防止できるからだ。湯を再沸騰させた後は火を止め、余熱で調理する。外側を加熱しすぎることなく、内部の温度が上昇し、ロゼ色のローストビーフができる。この時の肉内部の温度は55~60度となり、しっとりとした食感に仕上がるという。

湯につける前か後にフライパンで焼き色をつけるのがコツ。ステーキ同様にメイラード反応が起き、焼き色と香ばしさがでる。表面に付着する食中毒菌は沸騰した湯につけ焼くことで死滅し、ステーキのレアと同じ状態になる。

カットして、火の入り方が足りない場合は電子レンジで少しずつ加熱して調整する。

肉の選び方も押さえておこう。最近は赤身に脂が細かく入り込んだやわらかそうな霜降り肉よりも、ヘルシーで、かみしめる喜びが実感できる赤身肉が人気という。

和牛種をはじめ、輸入肉の取り扱いも多い日進ワールドデリカテッセン(東京・港)によると、「ステーキ用として販売している肉で最もやわらかい部位がヒレ。次にリブロース、サーロイン、ももと続き、肩ロースは一般的にかため」。様々な牛肉の味わいの差にくわしい精肉責任者、牧野隆夫さんは説明する。

いつもの調理法だとうまくいかない、という人は試してみてはいかが。

(ライター 土井 ゆう子)

[NIKKEIプラス1 2019年12月21日付]

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