NIKKEIプラス1

小川氏は「パソコン画面を目の高さより下に置いて見下ろす」ことをすすめる。見上げるとき、目は大きく見開かれるので涙が蒸発しやすくなるためだ。意識的にまばたきすることも有効だ。

コンタクトレンズの使用もドライアイを招きやすい。涙がレンズに吸い取られ、蒸発しやすくなる。レンズの汚れがムチンの分泌を低下させることもある。「1日の装着時間を2~3時間減らすことを心がけて」(小川氏)

外気が乾燥しているうえ、エアコンの使用で室内がさらに乾燥する冬はドライアイになる例が増える。エアコンの風が目に直接当たらないようにし加湿器を併用するといった工夫をしたい。

デジタル機器やエアコンの普及で患者が増えドライアイには現代病の側面がある。

2016年にはドライアイの診断基準が改定された。従来は目の傷の有無が基準とされたが、自覚症状と涙の蒸発の速さでドライアイと診断されるようになった。吉野眼科クリニック(東京・台東)院長の吉野健一氏は「目に傷がなくても、ドライアイによる目の不快症状を訴える患者が近年増えている」と話す。

生活習慣の改善でも症状が治まらない場合は、眼科で点眼薬を処方してもらおう。かつては水分を補給し傷ついた角膜を修復する点眼薬のみだったが、最近は涙の各成分に直接働きかける点眼薬が開発されている。

「点眼薬は必ず防腐剤の入っていないものを」と吉野氏は注意する。涙が少ない人が防腐剤入りを使うと、防腐剤が目の表面にとどまり角膜障害を起こしかねない。

点眼療法だけで回復しなければ「外来で簡単に処置できる『涙点プラグ』を選択肢に」と吉野氏。目頭の近くにあり、涙の排出口となる涙点に栓(シリコーン製プラグ)をして涙の排出を抑え、目の表面にとどまるようにする。

小川氏は「ドライアイ用の保湿メガネをかけるのもおすすめ」と話す。フレーム側面に保湿タンクが付いているメガネが市販されている。

ドライアイは放置すると視力の低下につながることも。目の乾きや不調を感じたら、早めに対策を講じよう。

(ライター 松田亜希子)

[NIKKEIプラス1 2019年12月21日付]

「病気・医療」の記事一覧はこちら

日本の健康経営を推進するポータルサイト

健康経営優良法人認定制度における申請受付をはじめ、健康経営銘柄・健康経営優良法人認定企業の紹介、事例やデータ等を掲載。

>> 詳細はこちら