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無人カフェ、上手に接客 ロボがAI使いメキメキ上達

日経MJ

ロボットがカフェマシンを操りドリップコーヒーなどを提供する
ロボットがカフェマシンを操りドリップコーヒーなどを提供する

阪急阪神不動産と阪急阪神ビルマネジメント(大阪市)は11月、阪神西宮駅(兵庫県西宮市)の商業施設「エビスタ西宮」に人工知能(AI)を搭載したロボットがコーヒーをいれる無人カフェを開いた。2020年2月上旬ごろまでの3カ月限定を予定している。ロボット自ら客に呼びかけ、購入を促す。接客スキルは機械学習によって、メキメキ上達しているという。

アーム型のロボットはQBITロボティクス(東京・千代田)が開発。カフェへの導入費用は1200万円(輸送費含む)。コーヒーを確実に客に提供できるよう、カップを受け渡す場所にセンサーをつけ、取り忘れを認識するなど店づくりも工夫した。同社によると、コーヒーを提供するロボットはこれまであったが、AIが搭載されたものは全国初という。

ロボットはカフェマシンを操り、ドリップコーヒー(280円)などを提供するほか、200のフレーズと、手を振ったりダンスしたりする動きを組み合わせた1000通りのパターンで接客する。ミルクやカップの補充作業は人手が必要だが、そのほかの業務はロボット1台でまなかうので人手不足対策にもなる。ロボットの導入で、月約30万円の人件費をおさえられる。

接客の肝は天井に取り付けられた4台のカメラで、店の周りにいる客を認識する点だ。性別や年齢層、表情まで判断した上で、話しかける。客が遠くにいるときは「コーヒーはいかがですか」といった店に気づいてもらう内容を話し、距離が縮まってくると、相手を楽しませるような声かけや具体的な商品名を提案する。

発話してから購入までの流れをデータとして蓄積し、次の接客へとつなげる。最近では女性客に「美容院はどこに行かれていますか」という声かけを多くするようになった。ただコーヒーを勧めるだけでは味気なく、気の利いた一言で客との心の距離をぐっと縮めるのだ。「(マニュアル化された)人の接客よりもロボットの方がいい」「周りの友達にも教えたい」といった声が届く。

一日の売り上げは、想定の100杯を上回る140杯。主要な客層は60~70歳代の高齢者だ。ロボットによる接客を毛嫌いするかもしれないと懸念していたが、好意的に受け入れられているという。文教地区の西宮には学校や学習塾も多く、休日にはロボットに興味を持つ地元の子どもが多く訪れる。

カフェロボットは3カ月限定だが、今後のさらなる展開も検討中だ。「発話だけでなく、ちょっとした会話や多言語対応も考えている」(QBITロボティクスの古沢憲営業担当執行役員)という。

さらに、客個人を認識し、その人のための接客や情報提供ができないか、構想を描く。「阪急阪神の複数の駅や、東京や札幌など主要都市でも展開したい」(古沢氏)

(川原聡史)

[日経MJ2019年12月11日付]

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