視覚障害でも働き続ける 70歳現役時代の乗り越え方専門機関で技能を訓練

2019/9/11付

雇用保険による支援の特徴は、企業と本人双方が希望する場合、復職後も地域障害者職業センターから企業内に専門家が出向いて働き方や周囲の支援法について具体的な相談に応じるジョブコーチ制度があること。井上代表はジョブコーチも兼ね、昨年は26事業場に304回の支援をした。

USENの福住さんは「視覚障害者の症状は一様ではないが、パソコン作業以外にもできることはあると思う。企業はそれを理解して欲しい」と意欲的だ。

仕事を持つ人が視覚障害を得ればその社員は当然動揺する。そんな時、企業は自立と職業訓練の双方で、本人や産業医、官民訓練機関と密接に連携し、社員を支える必要がある。高齢社員の増加が確実なこれから、相談があった場合、対応の道筋を示せるくらいの備えが必要だ。

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障害者の雇用 企業に義務付け

一定規模以上の企業は、障害者雇用促進法によって、従業員の2.2%を障害者とする義務がある。在職中に障害を持ち復職したケースも含まれる。厚生労働省によれば同法による障害者雇用数は2018年で53万5000人。うち何人が視覚障害者かは不明だ。人数は過去最大だが、法定雇用率達成企業は45.9%で前年より4.1ポイント下がった。

福住さんが働くUSENは65人の障害者が所属し法定雇用率を達成している。視覚障害者は10人いて総務や営業部門で働いている。

人事管理には気をつかう。早乙女茂弘人事部長によれば、視覚障害の程度は様々なので、採用時は特定業務でなく複数の業務を想定する。点字表示を設け、スーパーフレックスタイム制など労働時間管理も柔軟にしている。視覚障害者を多様な人材確保の一環ととらえる姿勢があるようだ。

(礒哲司)

[日本経済新聞夕刊2019年9月11日付]

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