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ナスラックの金成政周さん

ナスラックの金成政周さん

東建コーポレーション子会社のナスラック(名古屋市)は、高級タイプのシステムキッチンの製造販売などで業績を伸ばしている。東京支店で働く金成政周さん(46)は大手がひしめく業界で粘り強い営業を続け、実績を積み重ねている。2018年度は全国の約60人の営業担当の中でトップの成績をあげた。信条は「断られてからが本番」だ。

6月、建設中のあるワンルームマンションにシステムキッチンを売り込んでいた金成さんに建設会社から1本の電話が入った。「価格が安い別の会社の製品を採用します」。あきらめてもおかしくないところだが、金成さんはすぐにマンションの施主に電話をかけた。「うちの商品を再検討するように建設会社に話してもらえませんか」

しばらくすると、建設会社は「価格を下げるなら再検討してもいい」と折れてきた。早速、ナスラックの工場と連携してぎりぎりまで価格を下げて見積もりを再提出し、受注を勝ち取った。

システムキッチンの市場にはLIXILグループやタカラスタンダードなど大手がひしめいている。中堅メーカーであるナスラックは価格だけでは容易には太刀打ちできない。金成さんはその"ハンディ"を人脈や信頼関係でカバーする。

このケースでも、建設会社から恨まれるようなことはなかったという。「金成なら仕方ないか」。そう言ってもらえるように、日ごろから関係を構築してきた。

時間をかけて

信頼関係の構築のためにも気をつけているのが普段の話し方だ。「失礼にならないレベルでフランクに話すよう心がけている」。趣味などの話から話題を広げる。仕事の話を一切しない日もある。一度も受注したことがない相手とも、長い時間をかけて人間関係をつくっていく。

もう一つ重視しているのがキーマンの見極めだ。マンションでは建設会社が間取りや価格を考慮してキッチン製品などを決めるのが一般的だが、施主の要望に沿って決定することもある。現場の施工業者に選択を任せるケースも少なくない。自社製品を選んでもらうには「誰がキッチンの採用で力を持つのか見極めることが重要になる」。

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