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歯周病は細菌で予防 バクテリアの摂取で悪玉菌抑える 歯磨き・歯科治療と併せて

2019/6/12付 日本経済新聞 夕刊

気付かないうちに症状が進むことが多い歯周病。歯のトラブルにとどまらず、糖尿病など様々な病気のリスクが高まることが知られている。日々の歯磨きや歯科でのチェックに加え、歯周病菌を抑える口内細菌を摂取する「バクテリアセラピー」への関心が高まっている。進行した歯周病を改善する効果もあるという。

歯周病は歯周病菌の感染で起こる炎症性の病気だ。初期の症状は「歯肉炎」。歯と歯肉の境目で歯周病菌が繁殖し、歯肉の周辺がはれる。出血を伴うこともあるが、この段階では病気に気付かない人も多い。

進行すると歯と歯肉の境目の「歯周ポケット」が深くなり、歯を支える土台である歯槽骨が溶ける「歯周炎」になる。歯槽骨の溶解が進むと歯がグラグラするようになる。

歯周病の予防や症状を改善するのに近年注目されているのが、有用な細菌をサプリメントなどで摂取するバクテリアセラピーだ。

腸内細菌と健康の関係が注目されているが、口内にも数百種類の細菌がすみ着いている。歯周病菌や虫歯菌に代表される「悪玉菌」と、その他の常在菌が競争・共存して口内フローラと呼ばれる細菌叢(そう)を形成している。

ロイテリ菌の電子顕微鏡写真=オハヨー乳業提供

口内フローラと歯の病気の関係を調査している歯科医の坂本紗有見氏によると、乳酸菌の中に悪玉菌を抑える効果を持つものが確認されている。海外で長年研究されてきた「ロイテリ菌」と、広島大学の二川浩樹教授が発見した「L8020乳酸菌」が代表で、これらの乳酸菌を含むヨーグルトやサプリメントなどが製品化されている。

ロイテリ菌の場合、唾液などの働きで活性化され、中性脂肪の分解物を餌にしてロイテリンという抗菌物質が作られる。この抗菌物質は他の常在菌には影響を与えず、歯周病菌を抑制することが分かっている。

欧州での臨床試験では、約20人の歯周病患者を2グループに分け、ロイテリ菌を含むタブレットとプラセボ(偽薬)を約1カ月間摂取して比較した。ロイテリ菌を摂取したグループは、出血を起こした歯の比率が47%改善した。

また歯周病菌が存在する歯垢(しこう)の存在する歯も減った。歯周病の程度を示す歯周ポケットの深さも改善していた。プラセボのグループでは目立った変化は確認できなかった。

歯周病菌と並ぶ口内の悪玉菌は、虫歯の原因となるミュータンス菌をはじめとする虫歯菌だ。虫歯菌についてもバクテリアセラピーの試験が国内で行われており、ロイテリ菌などで有意な効果が確認されている。

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