焼き鳥缶詰が大変身 家族も喜ぶ親子丼・照り焼きピザ
管理栄養士 今泉マユ子
冷えたビールをひときわおいしく感じる夏は、私の大好きな季節だ。お酒のおつまみで外せないのが焼き鳥だ。お酒の席で食べるのもおいしいが、お土産として自宅に持ち帰ると子供たちも大喜び。家族そろって焼き鳥好きの我が家では、焼き鳥の缶詰を欠かさず常備している。
耐熱容器に卵を割り入れてほぐし、焼き鳥を缶汁ごと入れてかき混ぜる。ラップをかけて電子レンジで2分加熱したあと、さらにかき混ぜて1分蒸らすと親子煮が手軽に完成する。ご飯にのせれば親子丼として楽しめる。私のお気に入りは、うどんにのせて七味唐辛子をかける食べ方だ。
パンにマヨネーズを塗って焼き鳥を挟むと照り焼きサンドに、ピザの生地にのせてチーズをかけて焼くと照り焼きピザになる。焼き鳥に酢を加えて野菜とあえたり、マヨネーズをかけたりしてもおいしい。青ネギやミョウガなど薬味と合わせるのもオススメだ。
ピーマンや長ネギ、カシューナッツと一緒にごま油で焼き鳥をいためると、あっという間にカシューナッツいためが出来上がる。一品足りない時のお助けメニューにも、お弁当の一品にもなる。
焼き鳥の缶詰にはタレ味や塩味などがあり、メーカーによって具の大きさも味も異なる。もも肉を使っている場合は具が柔らかく、箸で触るとホロホロ崩れる。皮がたっぷり詰まっている缶詰もあり、皮好きにはたまらない。炭火で焼いたタイプは風味抜群。大きめの肉もあれば、小ぶりのものがたくさん入っていることもあり、蓋を開けて初めて違いに気付くこともある。
タレの風味もいろいろある。甘めで濃厚なのものからあっさりしたもの、トロミがあるもの、サラッとしたものなど千差万別だ。濃いめのタレがたっぷり入っている焼き鳥缶に当たったときは、やはりご飯がほしくなる。缶を開けた時、タレはゼラチンのように固まっているが、温かいご飯にのせるとトロっと溶ける。
他の食材や調味料を加えずにそのまま食べるときも、少し温めるのがオススメだ。電子レンジで加熱するなら中身を必ず器に移し替えること。缶詰のまま湯せんで温めることもできるが、くれぐれもやけどには気をつけよう。
ちなみに我が家にはとても大きな焼き鳥缶がある。静岡市の清水かんづめ市場で見つけて手に入れたもので、重さは1750グラム。通常サイズ(75グラム)の約23缶分に相当する。いつどのように食べようか、今から楽しみにしている。
1969年生まれ。管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。
[日本経済新聞夕刊2019年6月11日付]
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