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私の課長時代

イノベーションは周辺から、IT生かし課題解く 日本ユニシス社長 平岡昭良氏(下)

2019/6/4付 日本経済新聞 朝刊

■東北支店の電力担当営業所長に就任した。

1993年に再び本社勤務から地方勤務となり、仙台市の東北支店へ着任しました。電力会社とのビジネスを広げるべく新設された電力担当営業所の初代所長を任されたのです。着任早々に手掛けた東北各地に分散する火力発電所との仕事では、営業主任時代に経験した「部下に任せるチームビルディング」のやり方が役立ちました。

東北支店では電力会社向けビジネスの拡大に注力した

ただし、それは受注済みのプロジェクトをこなすだけの仕事です。ビジネスを広げるには、さらなる受注の獲得が必要でした。当社は当時から全国で複数の電力会社とビジネスの実績があったので、電力会社向け基幹系システムの業務ノウハウを生かした提案をしました。

ただし、まだ十分に信頼を得られていなかったので受注に至らない。そこで、顧客の課題に対する洞察を深め、アプローチを「新技術を使った新しい提案」に切り替えました。

■小型情報端末などの新技術を積極的に提案した。

まず採用されたのが、小型情報端末を使った検針システムです。当時の検針業務では、検針員がメーターを視認し、数値を検針票に手書きで記入していました。検針員は結果を営業所に持ち帰り、パソコンに入力したりする作業が必要でした。小型情報端末のシステムを使えば、その場で入力するだけで作業が終わります。

大幅な効率化が図れることから、電力各社で導入が始まっていました。

当社は端末メーカーと組み、実用性に堪えうる様々な課題を解決することで採用にこぎ着け、信頼を積み上げました。

その後も電力会社のグループ企業向けのインターネットプロバイダー事業の立ち上げ支援や、マルチメディアを使った教育システム(eラーニング)を提案するなど、東北支店の営業所長を務めた3年間で顧客の信頼感を高め、96年の離任時には「新しいことは日本ユニシスだね」と言っていただけるようになりました。その電力会社とは今でも親しくお付き合いをさせていただいています。

■「ビジネスエコシステム」に生かす。

営業主任のときに、正解のない仕事にチームで取り組む方法を体得しましたが、営業所長時代にはイノベーションは現場や周辺から進めた方が起こしやすいことや、顧客の課題や社会課題への洞察から新技術を使った新しい提案を生み出すといった方法を学びました。これらが全て、現在の不確実性の高い時代、そしてデジタル変革の時代における業種や業界の垣根を越えた「ビジネスエコシステム」に生きています。

あのころ
電力会社が検針業務に小型情報端末を導入したように、1990年代には国内で生産性向上や業務効率化に向けてIT(情報技術)活用の動きが本格化した。一方、マルチメディアやインターネットがブームとなり、多くの企業が新たなビジネスとして取り組み始めていた。

[日本経済新聞朝刊 2019年6月4日付]

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