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時短家事

鶏からは冷たい油に入れて揚げる 変わる家事の常識 生活コラムニスト ももせいづみ

2019/5/21付 日本経済新聞 夕刊

冷蔵庫や洗濯機などを買い替えた時、新機種の機能が進化していて驚いたことはないだろうか。古いものを当たり前に使っている間に、世の中はずいぶんと進化していたりする。パソコンや携帯ならさらに、数年で激変してしまう。

家事の世界も実は同じで、日々いろいろな情報が書き変わっているのだけれど、習慣で昔と同じことを繰り返してしまいがち。家事もアップデートしていこう。

例えば、肉を焼くときはあらかじめ塩こしょうし、フライパンをよく熱してから入れて焼くとされてきた。だが、肉もフライパンも冷たい状態から火にかけ、徐々に焼き上げるほうがおいしいというのが新常識だ。

塩こしょうも焼き上がってから。最初に塩を振ると浸透圧でうま味が逃げ出してしまうし、こしょうも焦げてしまう。高温よりも、40~60度の温度帯でゆっくり熱を通すほうが肉のうま味が引き出されるそうだ。

鶏のから揚げも、適温に油を熱してから肉を入れるより、冷たい油から入れて徐々に揚げるほうが、失敗なくカリッと仕上がる。また、強火が常識の野菜炒(いた)めも、低温調理のほうがおいしいという説も出てきた。冷たいフライパンに切った野菜を入れ、上から油を回しかけて弱火でゆっくり炒める。あまり混ぜ合わせず2~3分放置しながら返すのがコツ。

野菜や肉を切ったそばからフライパンに入れていき、冷たい状態から調理を始めるのはおいしさにつながるだけでなく、結果的に時短になり洗い物も減るのがわかる。やってみると目からうろこだ。

野菜をゆでるのもたっぷりの湯はいらず、大さじ3ほどの水をフライパンに入れ、蓋をして蒸しゆでにしよう。ブロッコリーやいんげんなどたいていの野菜はこの方法で火が通る。湯を沸かす時間もいらないし、栄養分も逃げないからおいしいのだ。最初に野菜に少量オイルをまわしかけてから蒸すと、軽く塩をするだけで温野菜サラダになる。とても簡単。

ゆでないと食べられないと思っていたカリフラワー、アスパラガスは、スライスして生で食べても美味。海外ではグリーンピースやそら豆も、さやから出してそのまま食べるところも。旬の新鮮なものは、みずみずしくてとてもおいしい。

いずれも、フライパンを熱したり湯を沸かしたりといったひと手間が減るだけでも、忙しい日々の中では結構大きいものだと思う。

料理だけでなく、そうじや洗濯などでも新常識は日々生まれている。もともと家事は伝承や伝聞で身につくことが多いので、情報のタイムラグが起きがちなのだと思う。以前は手抜きや邪道に見えたことが、今の新常識になっていることも。アンテナを立てて、新しい情報はどんどん取り入れ、いっぱいラクしましょう!

ももせいづみ
東京都出身。暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。本コラムを含め、自著のイラストも自ら手がける。「新版『願いごと手帖』のつくり方」(主婦の友社)、「やれば得する!ビジネス発想家事」(六耀社)など著書多数。

[日本経済新聞夕刊2019年5月21日付]

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