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アーバンリサーチ 部屋着やコスメ…生活提案型店舗に ルミネ新宿店、ガラス張りで開放感も

日経MJ

2019/5/15付

入り口を広く取り店舗の透明性を高めた

アーバンリサーチ(大阪市)が3月に改装した旗艦店、ルミネ新宿店(東京・新宿)の滑り出しが好調だ。強みの衣料品に加え、新たに自社コスメやパジャマなどを展開。既存の店に比べてライフスタイル関連商品の取り扱いを増やした。開放感を打ち出した店構えにもこだわり、多様化する需要を捉えるとともに、セレクトショップになじみの薄い層を取り込む。




「コスメを作っているなんて知らなかった」。ルミネ新宿店を訪れた30代女性は、店内の一角に並ぶボディークリームを手に取って驚いた。「価格も手ごろで、パッケージがおしゃれ」と購入するかどうか思案していた。

■消費者の嗜好変化に対応

同店はコスメの自社ブランド「コスメ アーバンリサーチ」を初めて展開。ボディークリームやリップバームなど約20種類をそろえる。タオルメーカーの内野(東京・中央)とコラボしたパジャマや部屋着も用意し、生活全般に関わる商材を取り扱うのが特徴だ。

衣料品の製造・販売で成長してきたアーバンリサーチ。今回、自社コスメを取り扱うなど品ぞろえを増やした背景には、「消費者の嗜好が変化している」(アーバンリサーチ)との読みがある。

スマートフォン(スマホ)の登場で情報量が増えたことで、若年層を中心に需要は多様化していった。同社も得意とするアパレルにとどまらず、幅広い商材をそろえることで顧客をつなぎとめることが求められていた。ルミネ新宿店の改装には、こうした課題に対する同社なりの対応策がつまっている。

改装ではセレクトショップになじみの薄い層を獲得すべく、店構えにもこだわった。従来はレンガの壁を備えて内部が見えづらかったが、リニューアル後はガラス張りにすることで店内を見渡せるようにした。店内の通路や入り口の幅も広げ、ゆったりと買い物ができる雰囲気を演出。来店客からは「立ち寄りやすい」と好評という。

■アパレル以外への事業多角化

立ち上がりは好調で、改装後1カ月の売上高は前年同月比で10%以上増えた。「今後も既存店の改装や新規出店の際には、(ルミネ新宿店のような)開放的な店作りを進めていく」(アーバンリサーチ)

少子高齢化に伴う人口減や若者の嗜好多様化などが重なり、ファッション業界は低迷が続く。アーバンリサーチに限らず、大手セレクトショップはアパレル以外への事業多角化を進める。

「ジャーナルスタンダード」などを手掛けるベイクルーズ(東京・渋谷)は、ハンバーガー店やしゃぶしゃぶ店など飲食事業を拡大。ユナイテッドアローズは中古マンションをリノベーションする事業に乗り出すなど、事業領域は多岐にわたる。

アーバンリサーチは本業に近い領域での事業を広げる方向にかじを切ったが、ライフスタイル分野でも競合は激しい。他社との違いをどう打ち出していくかが、今後の成否を決めそうだ。

(堺峻平)

[日経MJ 2019年5月15日付]

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