耳鳴り、実は病気かも メニエール病や脳疾患…

NIKKEIプラス1

2019/4/13付

耳鳴りを引き起こす難聴として多いのが加齢性難聴(高齢者の「耳が遠い」状態)、突発性難聴とメニエール病だ。突発性難聴は50歳以上に多く、ある日突然片耳がよく聞こえなくなる。メニエール病は女性に多くみられ、難聴のほか回転性のめまいが出る。

原因はいずれもはっきりとわかっていないが、ストレスや疲労が引き金になるともいわれている。大場氏は「聴覚の神経は一度ダメになると再生しない。症状に気付いたらできるだけ早めに受診してほしい」と助言する。

突発性難聴やメニエール病の場合はステロイド剤や利尿剤、ビタミン剤などによる薬物治療が中心となる。治療の過程で聴力が改善すると、耳鳴りも気にならなくなることが多い。ストレスや過労などを抱える人に多い病気なので、医師から入院治療を勧められることもある。ストレスをなくし、安静にすることが症状改善につながる。

耳鳴りによる苦痛や生活上の不便さを減らすために、音響療法も有効だ。難聴による脳の過度な興奮を鎮めるため、大場氏は治療に聴力の補助となる補聴器を採用している。音響治療器を使って耳鳴りに近い音を出し、脳を慣らす治療もある。

専門家と協力して認知行動療法を含めた心理療法も取り入れている。カウンセリングを通じて耳鳴りによるネガティブな認知を明らかにし、修正することで症状の改善を図るものだ。

耳鳴りを完全に治すことは難しい。「本人が気にならなくなる」というのが治療の基本方針となる。信頼できる医師の手を借り、気長に付き合う心構えが大切だ。

(ライター 大谷新)

[NIKKEIプラス1 2019年4月13日付]

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