全身運動と並行して、口周りの筋トレに取り組もう。口角の両端を思い切り左右に引っ張る「イー」と、唇を前に突き出す「ウー」の発声を繰り返すと、舌や唇の運動範囲を広げて筋力をつけることができる。舌をできるだけ出して上下左右に動かす運動では、舌の動きが良くなる。
水を口に含み、ほお全体を思い切り膨らませたりすぼませたりするブクブクうがいや、口に水を含んだ状態で上を向き、喉の奥でガラガラするうがいもおすすめだ。平野部長によると「舌や舌の奥、ほおの筋力を高める」。
舌や唇を巧みに動かせるようにするには、早口言葉も役立つ。砂糖不使用のガムをかむのもいい。「舌を使ってガムを口の中で左右、手前、奥と動かす。1回10分程度かんで」(菊谷院長)
人と会話するときは、口を大きく開けてしっかり動かし、相手に聞かせることを意識する。日ごろ会話が少ない人は、本や新聞を音読するのも一案だ。
口周りのトレーニングは予防に役立つうえ、口腔機能が低下した人にも有効。「鏡を見ながら、どこを動かしているか意識しながら取り組むのがポイント。毎日の習慣に取り入れて」(菊谷院長)
かむ力を保つには、かみ応えのある食品の摂取も重要だ。菊谷院長は「多種多品目の食材を使った食事だと、色々な食感を楽しめる」と勧めている。
(ライター 武田京子)
[NIKKEIプラス1 2019年2月23日付]