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高齢者のてんかん、認知症と誤解も 入浴時などに注意

2019/2/13付 日本経済新聞 夕刊

子どものころに発症する病気と思われがちな「てんかん」だが、高齢になって初めて発症する患者が増えている。しかし高齢者のてんかんは、けいれんなどの激しい発作を伴わない患者が多く見逃されがちで、似た症状から認知症と間違われることも少なくない。適切な治療をすれば日常生活を支障なく送ることができるので、早期の発見や周囲の協力が大切だ。

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「60歳代後半から発症率が上がる。女性より男性が多い」。てんかんに詳しい新宿神経クリニックの渡辺雅子院長は高齢者のてんかんについてこう説明する。

てんかんは以前は主に幼少期に発症する病気と考えられていた。しかし現在は成長するといったん下がる発症率が高齢になると再び上がり始めることが分かっている。欧米の研究では70歳以上では10万人あたり100人、80歳以上では150人が発症し、10歳以下の小児より高い。日本でも高齢化が進むにつれ、新たに発症する高齢者が増えているとみられる。

ただ、てんかんというと一般に思いうかべるような、けいれんなどを伴う激しい発作を起こす患者はまれだ。急に動作がとまってしばらくボーっとするなどの穏やかな発作がほとんど。また過去の記憶がなくなるといった症状も出る。てんかんと気づかずに放置されたり、認知症と間違われたりする患者が少なくない。

同じ記憶障害でも高齢者のてんかんは昔の印象的な出来事から忘れていく。認知症では直近のことを忘れて、過去のことは覚えているのとは対照的だ。

認知症と違い、高齢者のてんかんは治療すれば日常生活に支障なく暮らせることが多い。一般に治療薬で発作が抑えられるてんかん患者は70%程度とされるが、高齢者のてんかんでは約90%に効果がある。

ただ治療を始めてもしばらくは発作を起こすことがあり、日常生活での注意が必要だ。

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