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時代で変わるひな人形 素材にスワロフスキーも

NIKKEIプラス1

2019/2/9付

PIXTA

桃の節句に向け、ひな人形を飾り始めた人もいるだろう。ひな祭りが今のように、人形を囲んで祝うようになったのは江戸時代のこと。時代背景や生活環境の変化に合わせ人形の顔や姿、飾り方なども変遷してきた。

ひな人形の源流は災難を肩代わりしてくれる紙のヒトガタ。上巳(じょうし)の節句(3月3日)に健康を願って厄払いが行われた。やがて平安時代の貴族の子供たちのままごと遊びである「ひいな遊び」と結びついていったとされる。ひいなとは、紙の小さな人形に着物を着せたもののことだ。

ひな祭りが3月3日に行われるようになったのは江戸時代。人形文化に詳しい大妻女子大学准教授の是沢博昭さんは「江戸中期に女児の誕生を祝い、健やかな成長と幸せを祈る意味も加わった」と話す。庶民に広がる頃にはヒトガタに似た立ちびなから、座った姿の人形が主流に。

江戸時代にできあがったひな祭りは、子どもの成長を願うだけでなく、大人も含めた女性のための行事だったという。「人気のひな人形をプレゼントすることが男性のステータスでもあった」(是沢さん)。

嫁入り道具に持たせることもあったようだ。寛政の改革を主導した松平定信は、ぜいたくなひな人形を取り締まったが、娘の嫁入り時には豪華なひな人形を用意したという。祖父母が女児の初節句に買うことが多いが、地域によっては嫁入りの際にひな人形を持参する「おくりびな」の風習も残る。「本来は自分の人形を持って行くが、嫁入りの際に新調する人もいる」と日本人形協会の倉片順司さん。

ひな人形は京都発祥と言われるだけに、十二ひとえやえぼし姿が一般的。実は京都と江戸では人形の好みが異なっていたという。京都で好まれたのは公家の髪形や装束の色や形式を再現した有職(ゆうそく)びな。一方江戸では、冠や色使いもきらびやかな古今びなが流行。やがて京都でも古今びなが作られるようになり、現在のひな人形は古今びなの流れを組む。

ひな人形というと三人官女(かんじょ)や左大臣、右大臣などが並ぶ豪華な段飾りを思い浮かべる人もいるだろう。一説に宮中での婚礼の場を模したとされる。両親など贈られる人に最も近しい人が男びなと女びなを用意し、その他は親類縁者などが思い思いの人形を持ち寄っていたという。今のようなセット販売は大正~昭和初期に、百貨店から始まった。「本格的に全国に広がるのは高度経済成長期から」(倉片さん)だ。

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