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映画『マイル22』 中身の詰まったスパイ活劇

2019/1/18付 日本経済新聞 夕刊

短い時間に、非常にタイトになかみのつまったスパイ・アクションである。

東京・新宿の新宿バルト9ほかで 公開(C)MMXVIII STX Productions, LLC. All Rights Reserved.

アメリカ東海岸の、林にかこまれた静かな住宅地。そこにロシア諜報(ちょうほう)員たちのアジトがあり、CIAの特殊部隊が踏み込む。

CIAの隊員たちは“チャイルド”と呼ばれ、離れたところにある“マザー”本部からの指令でうごく。マザーは、偵察機からの体温感知映像や室内のさまざまなカメラのハッキング等で敵のうごきを把握している。いろんな種類の映像がとびかう目まぐるしいアクション。当初の目的は、敵諜報員の身柄確保だったが凄(すさ)まじい殺し合いとなり、死んだ敵のなかには18歳の少年もいた。

すぐに舞台は1年半後の東南アジア、インドカーなる国に移り、本スジが始まる。

チャイルド1(ワン)ことシルバ(マーク・ウォールバーグ)らが関わる案件は、盗まれた放射性物質セシウムのありかを知る地元の警官リーの亡命とひきかえに、彼からセシウムの情報がはいったハード・ディスクのパスワードを聞き出すこと。

リー役に、インドネシアの格闘技シラットをとりいれた『ザ・レイド』(2011年)、『ザ・レイド GOKUDO』(13年)で世界に注目されたイコ・ウワイスを起用。アクションの魅惑を倍加させる。

長いクライマックスは、米国大使館から、救出の米軍機が来る郊外の滑走路まで、22マイル(35キロ)をインドカーの保安局長がひきいる暗殺者の群れを切りぬけての突破行。ここで再びビショップ(ジョン・マルコヴィッチ)が指揮する、遠く離れた母国のマザーと連携する“オーバーウォッチ(援護)”作戦がとられ、真価を発揮する。

大活劇の果ての思わぬ結末。それも「マザー」と関係が…。監督は、ウォールバーグとは4作目になるピーター・バーグ。1時間35分。

★★★★

(映画評論家 宇田川幸洋)

[日本経済新聞夕刊2019年1月18日付]

★★★★★ 今年有数の傑作
★★★★☆ 見逃せない
★★★☆☆ 見応えあり
★★☆☆☆ それなりに楽しめる
★☆☆☆☆ 話題作だけど…

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