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武田コンシューマーヘルスケアの飯淵陽介さん

武田コンシューマーヘルスケアの飯淵陽介さん

武田薬品工業子会社の武田コンシューマーヘルスケアでドラッグストアを担当する飯淵陽介(42)の武器は瞬発力だ。担当店舗で風邪薬「ベンザブロック」の売り上げを前年より3割拡大するなど、販売傾向と店舗ごとの課題をつかみ、独自のサイクルで商談を進め売り場づくりを提案する。

1年前の2018年1月20日。飯淵は石川県にあるドラッグストアの本社にいた。翌冬に向けたベンザブロックの1回目の商談のためだ。風邪薬のハイシーズンは9~2月だが、飯淵には独自の戦略がある。シーズン中間地点の12月に前半戦を振り返り、傾向と課題を割り出すのだ。

「シーズン中盤での分析は、ドラッグストアがシーズン後半の売り上げを伸ばすヒントになるはず」。地域店舗の平均より売り上げが低い店舗には「伸びしろがある」と前向きだ。

◇  ◇  ◇

風邪薬はドラッグストアで最も売れる商品だ。17年の風邪薬全体の市場規模は9年前に比べ約1割縮小し、950億円だったが、鼻水や熱など個人の症状に合わせた風邪薬に限れば、売り上げは伸びている。核家族や単身赴任世帯の増加などを背景に、家族共用からパーソナルユースの製品へ切り替えが進んでいると見られるからだ。

これは風邪の症状ごとにパッケージの色を変えるなど、症状別風邪薬では他社に先行するベンザブロックには有利な傾向だ。武田コンシューマーヘルスケアでは品目ごとに地域での売り上げを集計。このデータを活用し、まだ店舗で扱っていない品目を加えた売り上げ試算を示すことで、ドラッグストア側の納得も得やすいという。実際、別の店舗では飯淵の努力が実り、販売を手掛ける武田の採用品目が13種から24種に増えた。

「この商品を買いに来る地域のお客様がいる」と飯淵は消費者目線を貫く。「お客様を第一に考え、必要とするものを届けるのが製薬会社の使命」だと、武田以外の他社製品の導入を提案することもあるという。消費者のニーズに沿った商品の取り扱いを勧めることで売り上げが伸びれば、結果として取引先であるドラッグストアとの信頼関係も築けると考えるからだ。

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