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ルミネのトップ販売員 決して使わない2つの言葉 ローリーズファーム 渡辺萌さん

2018/12/3付

アダストリアの研修を通じ、販売力の向上を目指す

アダストリアが全国に約150店舗を展開するカジュアルアパレルブランド「ローリーズファーム」。1800人いる販売員の1人、渡辺萌さん(27)はルミネエスト新宿店(東京・新宿)で副店長を務めている。中高生から50代以上と幅広い年齢層が訪れるが、それぞれの顧客の状況に合わせた応対を心がけ距離感を縮めることで、信頼を勝ち取っている。

JR新宿駅東口に隣接するルミネエストは多くのアパレルショップが立ち並ぶ激戦区。ルミネエストの2階にあるローリーズファームで働く渡辺さんは多彩な言葉を使いこなし、顧客に魅力を伝える。渡辺さんと同世代の娘がいる50代の顧客が来店した時には、自分の母親の洋服を選ぶように会話を進めた。客の子供を心配する思いを聞いた時、自身の母親の気持ちと似ていると感じたという。母が子に愛情を注ぐように、子供も親を思っていると伝え、関係が深まった。

「女性は共通点があると一気に距離が縮まる」。このときの接客をきっかけにこの50代の女性はその後、娘を連れて来店し、専門学校の卒業式で着るワンピースを新たに購入した。

店頭には学生の顧客も訪れる。年齢に合わせて言葉遣いも変化させる。デートに着ていく服を探しに来た学生に対しては、好きな人からどう思われたいかという渡辺さん自身の考えを披露しながら、洋服をコーディネートした。「若いお客様には『かわいい』という言葉が響く」。この共感力があるからこそ普段は販売員とあまり深い話をしない顧客も心を開く。

渡辺さんのきめ細かな接客の原点は新人時代にかけられた上司の言葉だ。4年半前に正社員になり今では副支店長を務めるが、アルバイトを始めた専門学校1年生の時は接客が好きになれなかったという。

特に苦手なのが最初の声がけ。「ご試着できますので」「ぜひお鏡で合わせてみてください」とありがちな言葉をかけていた。それを見ていた上司からは「試着室がない店も、鏡がない店もない」と厳しい指摘を受けた。それ以来、この2つの言葉を一切使わないと心に決めた。

試行錯誤の積み重ねで生み出されたのが観察力。顧客の視線や入店する時のスピードなど目を光らせるようになった。下に視線を落として入ってくる人は靴を探している可能性が高い。そんな時には「靴を探していますか」と聞くと、すんなりと会話が始まる。

最近はインターネットで商品を決めて来店する人も多い。店内でスマートフォン(スマホ)の画面を見ながら店内を見回している人には、「何か事前にご覧いただいている商品はありますか」と声をかける。この観察力が土台となり会話の糸口が見つかる。

渡辺さんは2017年から2年連続、3万5千人の販売員がいるルミネのロールプレイング大会で170人のブロンズ賞に輝いた。

「お客様との会話を楽しみ、スキルを磨いていきたい」。顧客の人生に沿い続ける挑戦は続く。

(勝野杏美)

[日経MJ2018年12月3日付]

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