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余った食材持ち寄り料理パーティー 意外な味の発見も

NIKKEIプラス1

2018/11/17付

山田 麻那美撮影

食品の余り物を持ち寄るサルベージ・パーティー(サルパ)が注目されている。サルパの達人のアイデアから、買い過ぎたり、持て余したりした食材を上手く使い切るコツを探った。

おいしく食べることができる賞味期限ぎりぎりの食材を見つけたら「アイデアや工夫をこらすチャンス」。サルパの企画や公認シェフを派遣する一般社団法人フードサルベージ(東京・杉並)のシェフ、三木伸一さんは目を輝かす。

サルベージは救済という意味。家庭で余らせてしまった食材を持ち寄り、シェフや参加者がメニューを考え料理を作るサルパが人気だ。限られた食材で調理するため、「意外な味付けや組み合わせを発見できる」(三木さん)。

■切ってつぶして 食感に変化を

三木さんの考え方は、家庭でも応用できる。レシピにこだわらず、まずは素材ありきでイメージを膨らませる。賞味期限が迫る野菜はその日、食卓に乗せる料理すべてに利用し使い切る。同じ食材も焼いたり、煮たり。「みじん切りにしたり、すりつぶしたりしても食感が変化する。1日3食同じ野菜を使い回しても食べ飽きない」(三木さん)

食べ慣れた味つけを思い切って切り捨てることも自由な発想につながる。例えば、リンゴ。果物ではなく砂糖代わりに使い食感と甘みを生かす。

10月中旬、東京・新宿でフードサルベージが開いたパーティーではリンゴをパスタに使った。味噌と和風だしに、甘みを加えるために刻んだリンゴを投入。「味の要素が同じであれば代用できることが多い。リンゴ代わりにミカンやジャムも」(三木さん)

素材と味の特徴を捉え、代用法を考える。米飯で作るリゾットは、同じ炭水化物のそうめんに変えられないか。麺を細かく切れば食感が似るのでは。春雨やパスタで代用できないか、など次々と発想を変えていく。

冷蔵庫の中で余りがちなドレッシングなども、料理の味付けに使えばサラダ以外に用途が広がる。肉の下味に和風ドレッシングを使うのは一案だ。余ったふりかけはサラダやパスタに加えると、食感も味もアクセントになる。

大胆なアレンジをするときは、いつもより味見を多くする。塩気や甘み、酸味などのバランスを見ながら、少しずつ足すと失敗は避けられる。

■皮や芯使い切る 新しい発見も

野菜の皮や果物の種、キャベツや白菜などの芯など、捨ててしまいがちな部分も工夫次第で食べることができる。「これは食べられるのではないか、と捨てる前に考えてみる」と話すのは公認シェフで、残り食材で料理する能力を競う「クリエイティブクッキングバトル」を主宰するキムラカズヒロさん。

根菜類は皮のまま料理したり、皮の部分を千切りにしてキンピラにしたり。固い部分はみじん切りにしてハンバーグやギョーザの具などに再利用する手もある。野菜くずはスープに加えればうまみとなって深みが増す。

素材を使い切ろうとして生まれたレシピは多いという。「里芋を皮のままから揚げにしたり、バナナの皮をいためて、きんぴらに変身させたり。ドライフルーツを胡麻あえに加えたら、ほどよい甘さと香りが加わった。料亭に出てくるような仕上がりになることもある」(キムラさん)

新しい発見があれば、アレンジも楽しい。食べられるのに捨てていた部分の再利用で生ゴミが減る副次効果も。

もちろん、適量を購入する習慣を身につけたい。サルパによく持ち込まれるのは賞味期限が短い野菜やハーブ類、珍しい調味料、買いすぎた缶詰、白玉粉など。どの家庭でも棚や冷蔵庫で埋もれがちな食品だ。

ハッピー冷蔵庫アドバイザーの大野多恵子さんは「買い物メモに必要なものだけでなく、今あるものを書いていくと無駄を把握しやすい」。

今あるものが、すぐ分かるように収納することが重要だ。特に棚や冷蔵庫は7割収納を意識し透明な容器に整理すると一目瞭然。使いかけと買ったばかりの食材が混在する野菜室と冷凍庫は立てて収納する。「仕切りのカゴやブックエンドを活用すると、食材がよく見える」と大野さん。

参加したサルパの料理は思いがけず絶品で、リンゴと味噌のパスタは自宅でも作ったほど。サルパの開催情報はフードサルベージのホームページで確認できる。

(ライター 児玉 奈保美)

[NIKKEIプラス1 2018年11月17日付]

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