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私の課長時代

英で共同研究所立ち上げ 成果出ず、ツラい解雇通達 帝人社長 鈴木純氏(下)

2018/11/6付 日本経済新聞 朝刊

英国の研究所では多国籍の研究員をまとめた(中央後ろが本人)

■1994年、帝人が英国医学研究評議会(MRC)と共同で立ち上げた研究所へ。

研究所にはハンガリーやインドなど多国籍の研究員が在籍しており、そこでチームリーダーを務めました。実験の経過報告と研究方針を決める会議を毎週開くのですが、文化の違いからか、皆それぞれ勝手な方向を向いて研究するため、軌道修正をするのに苦労しました。

渡英当初は英語がうまく話せなかったので、言いたいことを事前に紙に書いてから会議に臨んでいました。前日の準備が大変で、会議が終わるとヘトヘト。それでも伝えたいことの半分も話せず、もどかしい思いをしました。

研究所では税務や経理業務の処理など、研究とはほど遠い雑務にも振り回されました。周囲からは「研究員じゃなかったっけ?」と言われたこともありましたが、これも仕事だと割り切りました。

■研究が思うように進まず、研究チームの解散を迫られる。

中枢神経の研究という10年がかりの計画に取り組んでいましたが、目立った成果が出ず、ついにはテーマを変えることになりました。在籍していた研究員には包み隠さず事情を話し、「これが会社としてベストだと思う」と話して辞めてもらいました。もっとうまい言い方があったかもしれませんが、自分の性格的にできませんでした。

休日には一緒にバーベキューを楽しむほどの関係だっただけに、解雇を言い渡すのはつらかったですね。研究員に残ってもらうことも考えたのですが、「研究テーマを変えるなら、メンバーも変えるのが常識」という現地の考え方に触れて、日本との違いに気づかされました。

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