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時短家事

冬服は素材意識し静電気予防 汚れや毛玉も抑える 洗濯家 中村祐一

2018/11/11 日本経済新聞 夕刊

朝晩に冷え込むことが増えてきた。寒さに備えて、冬場は様々なアイテムを重ね着する。その際、素材の組み合わせを意識することで、着心地や衣類の汚れ方に差がつくことをご存じだろうか。

繊維は組み合わせ次第で静電気が起こりやすくなる。冬は特に、静電気が起きやすい。空気が乾燥するのに加えて、異なる素材の衣服を複数身につけるため摩擦がより多く起きるからだ。静電気が起きると、汚れや衣類がまとわりつくという弊害が生じる。

冬こそ、手持ちの衣類の素材に気を配りたい。汚れがつきにくい組み合わせを心がけると手入れの手間が減り、家事の時短につながる。

繊維には摩擦によってプラスの電気を帯びやすいものと、マイナスの電気を帯びやすいものがある(図表参照)。表の中で離れている繊維同士を組み合わせると、静電気が発生しやすい。表地がウール素材のコートでも、裏地がポリエステルの場合は静電気が起きやすいが、キュプラだと静電気が起きにくい、といった具合だ。

表の両端にある繊維は、単独でも静電気が起こりやすい。ナイロンやウールなどプラスに帯電する繊維、ポリエステルやアクリルなどマイナスに帯電する繊維が該当する。いずれもセーターやコートなど冬によく着る服に多く使われている。綿やシルクなど表の中央近くにある繊維は静電気が起こりにくい。これらは水分を持ちやすく、放電されやすいためだ。

肌が弱い人は、静電気によって肌に刺激を感じることがある。体にかゆみを感じる場合は、直接肌に触れるアイテムの素材に注意するとよいだろう。吸湿性が乏しい合成繊維は、天然繊維よりも静電気が起きやすい。

電気を帯びやすい素材には毛玉もできやすい。ウールだと毛玉の除去も比較的容易だが、ポリエステルは繊維が強い分、一度毛玉ができると取り除くのが大変。ポリエステルはウールと比べて、細かい毛玉が出来やすい特徴がある。

静電気の起きやすさに限らず、繊維の性質を知ることは大切だ。ポリエステルは近年、衣服の低価格化や形態安定性といった扱いやすさから、季節やアイテムを問わず使われている。冬物だと発熱するインナーアイテムから防寒用のジャンパーまで幅広く見られる。

ポリエステルは洗いやすい半面、洗濯中に落とした汚れを吸着する「逆汚染」を招きやすい。50度以上の水温や2時間以上のつけ置き洗い、極端に節水している洗濯機を使った洗濯では逆汚染が起こりやすいので注意したい。

色や形だけでなく、素材やその特徴に目配りすれば、衣類の手入れが楽になる。メリットとデメリットをよく理解して、冬のおしゃれを楽しむとよいだろう。

中村祐一(なかむら・ゆういち)
1984年生まれ。クリーニング会社「芳洗舎」(長野県伊那市)3代目。一般家庭にプロの洗濯ノウハウを伝える「洗濯家」として活動。「洗濯王子」の愛称でメディア出演も。

[日本経済新聞夕刊2018年11月6日付]

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