ヘルスUP

病気・医療

風疹患者拡大中 30~50代男性、高い感染リスク 妊婦への影響深刻/ワクチン、抗体検査を受けて

NIKKEIプラス1

2018/10/13付

中には症状が出ずに人にうつす「不顕性(ふけんせい)感染」もあるので、「確実な予防策はワクチン接種しかない」と国立感染症研究所感染症疫学センター第三室の多屋馨子室長は明言する。

風疹は一度かかるか、ワクチンを受けるかすると体内に抗体ができ、二度と感染しない。1回のワクチン接種では抗体ができない人も5%いるので、2回接種が望ましい。

現代の子供は、小学校入学前に風疹ワクチンを2回受けている。60代以上の世代はワクチンがなくても、幼少期に発症して自然に免疫を得るのが一般的だった。一方で30~50代の男性は風疹にかからず、ワクチンも未接種のため、抗体を持たない人が多い。

子供時代にワクチンを受けたかどうかは、母子健康手帳で確認できる。過去に発症していれば抗体を持っているはずだが、「風疹と診断されたが、実は違っていたという例も少なくない」(堀教授)ので注意が必要だ。身近に妊婦がいない人も油断は禁物。妊娠初期だと、本人も妊娠に気付いていないためだ。「自分のためではなく、集団を守るためにワクチンを受けてほしい」と堀教授は強調する。

風疹ワクチンは3回以上受けても害はない。MRワクチン(麻疹・風疹の混合ワクチン)を選んでもよい。内科などで申し込むと、通常1週間程度で受けられ、2~3週間で抗体ができる。費用は5000~1万円程度だ。

ただ「定期接種以外に使えるワクチンは今、数十万人分しかない」(多屋室長)。接種歴が確認できない人は、まずは風疹の抗体の有無を調べよう。検査費用を助成する自治体もあり、妊娠を望む女性と妊婦の同居家族は無料で検査できることが多い。抗体価が低いと分かったら、すぐにワクチン接種を申し込む。

風疹にかかったら、とにかく人前に出ないこと。早めに対策を打てるように職場には発症を報告し、症状が軽くても出勤は避ける。不用意に医療機関に行くと、待合室などでウイルスをまき散らしかねない。「いきなり受診するのではなく、まずは電話で相談して」と多屋室長は助言する。

(ライター 伊藤和弘)

[NIKKEIプラス1 2018年10月13日付]

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL