猛暑も涼しい麻の洗濯 10秒脱水でシワ防ごう洗濯家 中村祐一

記録的な猛暑が続くこの夏は、例年にも増して涼しい服を身につけたくなる。麻の衣類はその代表格。汗をかく季節にピッタリだが、扱いが難しいと敬遠する人もいるはず。麻は乾きやすいため、脱水がほぼ不要。洗濯の時短効果も期待できる。麻の特徴を踏まえた手入れ方法を知っておこう。

麻は天然繊維で最も涼しい繊維といわれ、温度や湿度の高い季節に適している。汗などの水分の吸湿・発散が速く、通気性がよいため雑菌も繁殖しにくい。

一方で、シワになりやすい、色落ちしやすいといった欠点がある。最近は洗濯機で洗える麻のシャツなども登場しているが、摩擦やシワを最小限にするためには、やはり手洗いがオススメだ。

ただし、特別に手間をかける必要はない。お風呂に入るときに麻のアイテムを持ち込み、洗面器にお湯を張ってつけておくだけ。繊維が含んだ汗汚れは、お湯だけでもかなり落ちる。

その後、シワを防ぐために脱水はせずに、お風呂場でそのままつるしておこう。麻製品は脱水しなくても十分に乾く。場合によっては、洗濯機を使うよりも楽で時間がかからない洗い方になる。

洗濯機を「洗い」と「すすぎ」だけで終わらせる設定にして、秒刻みで脱水時間をとる

洗濯機で洗う場合は「すすぎ」の段階で終わる設定にするとよい。洗いからすすぎまでは洗濯機におまかせで、洗濯槽にすすぎ用の水がたまった状態で止まる。

干す前に短時間だけ脱水しよう。麻は10秒も脱水すれば十分。洗濯機の設定を「脱水」にして開始ボタンを押し、回転がトップスピードに入ったら10秒ほどで一時停止して、取り出す。これでシワを最小限に抑えることが可能だ。

この方法は、麻以外の衣類と一緒に洗濯機に入れるときにも使える。麻などのシワを付けたくないアイテムを分けて洗う時間がないときなどに有効だ。

素材を問わず、シャツ類は襟元や袖口などの汚れが気になることが多い。麻の場合はゴシゴシとこするとけば立ちを起こす。色物だと白っぽくなることもあるので、気を付けよう。

歯ブラシの先端を使って、汚れをやさしくたたき出す
汚れをこする場合は、ブラシではなくなめらかな背面を使う

部分汚れを落とす時に便利なのが歯ブラシ。歯を磨くようにこするのではなく、洗剤をつけてから、ブラシの先端でやさしくたたき出すようにする。

やむを得ず汚れをこする場合は、ブラシの裏側のツルッとした面を使おう。歯ブラシの背面は、口の中の粘膜を傷つけないように滑らかな形状になっているため、繊維に対しても当たりがやさしい。ただし色物の場合は、この方法でも色落ちする可能性がある。十分に注意してほしい。

まだまだ続きそうな暑い日々、麻の手入れをマスターして涼しく乗り切ろう。

中村祐一(なかむら・ゆういち)
1984年生まれ。クリーニング会社「芳洗舎」(長野県伊那市)3代目。一般家庭にプロの洗濯ノウハウを伝える「洗濯家」として活動。「洗濯王子」の愛称でメディア出演も。

[日本経済新聞夕刊2018年8月7日付]

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